工藤博司氏から随時寄稿していただいています。

工藤博司氏＝１９３７年生まれ。
　新俳句人連盟幹事、現代俳句協会会員。
　『道標』同人。合同句集『孟宗』など。
　しんぶん赤旗日曜版・読者の文芸「俳句」選者。
　生活協同組合共立社参与を２００３年12月退職。

25　ナワジザイカギから征ったままの兄

24　藁（わら）ツトに五個のいのちの春卵

23　「小竹はん」へ　ミノ（蓑）合羽から握手の手

22　ツルシワラ　カタモチ百千咲かせ母

21　雪囲いチュウナワ天へ飛ばしけり

�S　一本のナットウツトコ豊なり

�Rワラムシロ立てトラクターメーデーへ

�Q空（から）モッコ二人で運び雲あたたか

�P下萌に置くべし茂吉のサンバヤシ

�O治助師の家だけにあるネコイズミ

�N快速球ワラナベシキの穴で捕る

�M少年に小春の荷縄（ニナワ）固すぎる

�L稲運ぶ馬に無念の藁クツワ

�Kハバキ露まみれ訴状をふところに

�Jカマスからはみ出す岩塩鉱区に夏

�I七月の草に忘れしトイシイレ

�Hトロッコ押すワラジの裏に力溜め

�Gテンゴから月山筍（たけのこ）あふれ出る

�Fセオイモッコ滴（したた）る苗を運びけり

�Eヤセンマに児を乗せてゆく春の道

�Dバンドリに紅を織込み風雪解（ゆきげ）

�Cどか雪に部落総出のフミダワラ

�Bコモジブトン５人家族を豪華にす

�A泣きやまぬエジコの揺れを大きくす

�@先頭は１年生のミノボウシ