藁と俳句…�Q　　　　　　　　工藤博司

民報藤島2003年4月6日・第388号

空（から）モッコ二人で運び雲あたたか

　モッコは主に堆肥運びなどに使われた。

　二本の竹や棒などの間にからめた藁や縄が一定の幅をつくるのだが、その広がりにものをのせて前後二人で運んだ。持つ手の位置が違い、後の人の手が低いときは重量がうしろに片寄り、うしろの人が難儀する。

　きつい仕事でも二人でやれば救われるし、運んで来たものを下ろして、モッコが空になったときはやはりホッとする。

　堆肥運びの頃になるとそれまで鉛色だった雲も変化して、早春の光とあたたかさが見えはじめるのである。かつてはモッコを夫婦で使う姿がよく見られた。