藁と俳句�F　　　佐藤治助

民報藤島2002年5月12日第342号

セオイモッコ滴（したた）る苗を運びけり

　田植えが済むと庄内平野は水平野になる。

　今は、早苗も箱のまま運び、機械植となる。昔は苗運びそのものが一仕事だった。背負いモッコは近くの苗代田から苗を運ぶ絶好の道具だった。ずっしりとした苗が入った背負いモッコからは水が滴る。

　みどりのみずみずしい苗を運ぶ人の足が畦を往来する。村にとって一番きびきびした、活気のある季節を迎えることになる。