日本共産党市議団４人への政倫審審査請求について（上）

日本共産党鶴岡地区委員会自治体部　加藤太一

　10月27日付けで、小野由夫、黒井浩之、佐藤麻里の議員連名で、日本共産党市議団の長谷川剛、坂本昌栄、菅井巌、加藤鑛一の各市議に、政治倫理審査請求書が提出され受理された。

　請求の理由は「新つるおか」の発行経費について「不正」があり、「不正」を長期にわたり「会派全員で放置し」てきたと言うものである。

　しかし、同問題は今年４月に設置された政務活動費検討委員会で、「新つるおか」の政党活動掲載の按分部分が問題となったもので、問題点は２つ。

　「月額４万円の基本料金が按分されていない」、「題字下の県会議員、国会議員の名前と連絡先が按分されていない」との２点にある。

　これに対して日本共産党市議団は、７月４日に「政務活動費・広報費への指摘についての見解と対応について」、７月27日には「議員全員説明会における政務活動費・広報費への指摘についての見解と対応について」、９月27日は「会派代表者会議における政務活動費・広報費への指摘と対応について」、10月４日の「政務活動費・広報費への指摘についての見解と対応について」を、菅原一浩議長宛に見解を示している。

　その中で、県議会議員、国会議員の連絡先を題字下から外したこと、基本料金（「新つるおか」にかかわる編集・印刷の委託料）についても５年間に遡り精査して、差額を確認したので、他の取り扱い事例も参考にして、対処すると表明している（その後返還）。

　事実経過を見れば、４月からの検討会や会派代表者会議、全員説明会の議論の経過と共に、党市議団は誠実に向き合い対応してきている。

　今年４月に市議会の会派選出により設置された政務活動費検討委員会で、使途のルールの検討・見直しを行っている最中に、出された問題に、党市議団としての意見表明をおこないつつ、改善に同意できる部分は改善している。

　しかし、題字下に県会議員や国会議員の連絡先を記載することについては、政党政治の下で市民との政治をつなぐ役割として必要との意見もあり、議論の結論が出るまでは一時掲載を見合わせているに過ぎない。　

　審査請求者は、「指摘してから４か月にわたり放置した」「県会議員、国会議員の名前・連絡先の部分の按分を現時点でも認めていない」などと、自分達の「指摘」を認めず従わないことを理由に、「政倫審違反」と決めつけているに過ぎない。

　政務活動費のルールは、全会派の協議・合意の上に成り立つものであり、多数会派の言う「指摘」に従わなければ「政倫審」で処罰と言うのでは、多数派の脅しに等しく、議会制民主主義を破壊する行為に他ならない。（つづく）

・日本共産党市議団４人への政倫審審査請求について（中）／日本共産党鶴岡地区委員会自治体部　加藤太一（新つるおか2022年11月20日No.2323）

・日本共産党市議団４人への政倫審審査請求について（下）／日本共産党鶴岡地区委員会自治体部　加藤太一（新つるおか2022年11月27日No.2324）