巨大労組メーデー勝手に繰上げる　　工藤博司

　非正規労働者の増加をつくり出し、今また、一生生涯派遣労働に縛りつけるしくみを図り、その上大企業の言いなりになって残業代ゼロをもくろむ安倍政権。その張本人をメーデー集会に来賓として招く或る巨大労組（もちろん、この挿し絵とは別の組織）。まさに信じ難い現象と言わなければならない。

　しかもこの巨大中央労組は、メーデー即ち五月一日開催の歴史的積み上げを放棄して、ゴールデンウィーク前、四月下旬開催を続けている。

　メーデー発祥の意義は、歴史的時間（年月日）と切り離せない筈なのになんともいいかげんとしか言いようがない。

　アベノミクスがどうごまかそうと、現実は何より雄弁である。厚生労働省の発表に曰(いわ)く、基本賃金を示す「所定内給与」は、四月で25ヶ月連続マイナスになったと。
　働らく者のくらしは、闘いの中でこそ切り開かれる。


　（画・加藤貞雄）