平和行進さくらんぼもう葉に紛（まぎ）れ　　工藤博司

　この猛暑の中にくりひろげられる平和行進の参加者には頭の下がる思いです。

　私がはじめて平和行進に参加したのは、二〇代はじめの頃で、故郷の西川町から寒河江市を通って、河北町から東根市まで歩き、そこで集会を開いた記憶が残っています。

　行進の途中は、林檎畑、桃畑も続き、広大なさくらんぼ畑も道添いに広がり、色づいたさくらんぼが葉陰から顔をのぞかせていた思い出があります。おそらくおくて(・・・)のさくらんぼだったのでしょう。西川町内の行進には私の所属していた高旭鉱山労組からの参加も多く、総指揮者は渋谷清先生（元・西川町議）でした。総指揮のタスキを掛け、大通りから役場の広場に入ろうとして隊列が曲がりはじめた写真が今でも手元に大事に保管されています。

　（画・加藤貞雄）