柿の木よ今年の冬の長きこと　　工藤博司

　彼岸を迎えたのに小雪まじりの日が続いている。さすがに降り積もるということはないが、寒さはこたえる。

　柿の木はもう剪定の時期なのだが今年はどうなのだろう。実も葉もとどめず、裸のままで立っている柿の木を見ると、寒さはひとしおである。

　それにしても今年の冬は長い。前年の十一月からもう冬型に入り、四月に入るまで続くとなれば、一年のうち五ヶ月は冬ぐらしとなる。ここ数年は、春と秋の期間が短く、あっという間に過ぎる感じである。大震災後の避難生活と仮設住まいが続いている中で、せめてあたたかい春の陽に恵まれることを願わすにおられない。

　（画・加藤貞雄）