市長選寄付収支報告書不記載

「自己資金の立て替えとして選挙運動資金に充てた」

共産党は「法に基づく処理」「十分な説明」求める

　２０１７年10月の鶴岡市長選挙期間中に、皆川治氏（現・鶴岡市長）が、受け取った現金１００万円の寄付について、選挙運動費用収支報告書に記載がなかったことから、12月27日に市議会全員協議会が開かれ、経過説明とお詫びが述べられました。

■知識不足と忙しさが要因

　不記載については、「知識不足と忙しさの中で失念した」と述べました。

　寄付金は「自己資金の立て替えとして選挙運動資金に充てた」と述べました。

　寄付金と同額の１００万円を、21年８月28日に本人に返還したことについては、「受領しなかったことにできる」と考え、不記載の「非難を回避したいと考えた」と述べました。

■返金の法的確認が必要

　さらに、昨年12月23日に、不記載の訂正願いを出したことが説明されました。

　返金が「政治家からの違法な寄付のおそれ」との指摘に対して、「必要な確認、協議を行う」と述べました。

　皆川市長は、「法令に対する理解・認識の甘さにより、皆様の信頼を損なうこととなったことについて真摯に反省」すると述べました。

■「不記載」の電話は否定

　議員全員協議会では、約２時間にわたって質疑がおこなわれ、主に新政クラブと公明党が質しました。

　１００万円の受領後、皆川氏が電話で「記載する方法としない方法がある」と伝えたと、寄付者が述べている点については、「事実でない。記憶にない」と否定しました。

■日付のすれ違いは精査

　収支報告書に記載されている自己資金の日付が10月１日で、寄付の日付が10月９日のすれ違いについては、精査して回答するとしました。

　協議会の場では、「百条委員会の設置を含め検討すべき」、「辞職を求める」など、強い意見も出されました。

　共産党市議団は、「法令に基づく正しい処理」と、「市民の理解を得る十分な説明」を、強く求めていきます。

（※皆川市長の文書は、必要な改行をしています。）

平成２９年執行鶴岡市長選挙期間における100万円の寄付に係る問題について

１、経緯

（１）　2017（平成29）年10月9日（鶴岡市長選挙の告示日の翌日）、当該支援者であった藤島在住の男性から現金100万円の寄付を受けた。

　選挙運動費用収支報告書に寄付として記載すべきところ、知識不足と忙しさの中でこれを失念し、誤った記載となった。

(２)　受領した寄付については、「自己資金」の立て替えとして会計責任者へ渡し、選挙運動資金に充てられた。

　2021（令和3）年8月28日、当該寄付について当該男性に選挙運動費用収支の余剰金として返金できるものと考え（※余剰金の使途については公職選挙法に規定がない）、寄付と同額を当該男性の自宅に置いてきた。

　なお、その日、記載の前に寄付を返金すれば、当該男性の理解の下に寄付を受領しなかったことにできるのではないかとも考え、それによって寄付が収支報告書に記載されていないことへの非難を回避したいと考えた。

　また、当該男性は、ハチ公像と斎藤弘吉像を文化会館前の広場に設置することを強く要望しており、公正な市政を維持するために返金し今後への影響をなくしたいとも考えた。

　現在は、いずれも返金によって実現するものではない。知識不足による間違った考えであったと自覚し、反省している。

（３）　2021（令和3）年12月23日付で、当該寄付を選挙運動費用収支報告書に記載する訂正願いを行った。

　今回の記載の誤りは、知識不足と忙しさの中で「自己資金」の立て替えとして会計責任者へ渡した私の誤りであり、会計責任者に原因があったことではない。

　なお、さらに訂正が必要な場合には、専門家に相談の上、必要な対応を行うこととしたい。

（４）　2021（令和3）年8月28日、当該寄付について当該男性に返金できるものと考え、当該男性の自宅に置いてきた行為については、公職選挙法で禁止された政治家からの寄付に該当するおそれがあるとの指摘があるが、余剰金の使途については公職選挙法に規定がない。

　また、相手方も寄付と受け止めているとは考えられないことから、その取扱いについては、必要な確認、協議を行いたい。

２、お詫び

　受領した寄付については、収支報告書への記載方法を誤ったことについて、鶴岡市民、また本市をご支援いただいている皆様に心よりお詫び申し上げます。

　また、受領した寄付を当該男性に返金できるものと考え、政治家からの寄付に該当するおそれが生じてしまったことについても重ねてお詫び申し上げます。

　法令に対する理解・認識の甘さにより、皆様の信頼を損なうこととなったことについて真摯に反省し、選挙、政治資金に関するルールを守り、職務に精励し、鶴岡の発展のために努力してまいります。

令和３年12月27日　
鶴岡市長　皆川　治

・皆川市長の寄付不記載問題／返金し、収支報告書を訂正（民報藤島2022年01月01日第1331号）