11月26日、鶴岡協同の家こぴあホールにて、つるおか・たがわ九条の会主催の宇都宮健児氏講演会が開催されました。宇都宮氏は、「鶴岡は食べ物はおいしいし、私の好きな藤沢周平さんの故郷でもあります。この地に来ることができてとてもうれしい。」と、冒頭あいさつがありました。
宇都宮氏は、憲法が今最大の危機を迎えているとして、昨年９月に日本の憲法学者の９割が憲法上違憲とし、若者たちやお母さんたちが「シールズ」、「安保関連法に反対するママの会」を立ち上げ戦争法反対のうねりが大きくなるなか、自公政権による安保法制の強行採決を行ったことは重大であるとし、今後自公政権が憲法改悪をどうすすめようとしているのか、それを許さないたたかいをどうすすめるかについて詳しく話しました。
今年７月の参議院選挙で自公政権が衆参で３分の２の議席数を占め、改憲発議ができる条件ができたことや、この間自民党が発表した「自民党改憲草案」に触れ、立憲主義を放棄し、憲法を「権力を縛るものから国民を縛るもの」に変えようとしていること、平和主義を放棄し軍隊の創設を検討していること、緊急事態条項を新たに設け、議会制民主主義も国民の権利も破壊する危険な改憲の動きが強まっている、としました。
特に憲法の「基本的人権」について、戦前の暗黒政治のなかで普通選挙法と抱き合わせで成立した「治安維持法」により、進歩的、民主的な人たちの多くが投獄され、侵略戦争に突き進んでいったこと、その後、戦争の惨禍が再び起こるこのないようにするためにできた戦後憲法の中で、人類の多年にわたる成果として永久の権利として保障される基本的人権条項を自民党改憲草案では削除していることについて、国会で憲法改悪、戦争法の廃止を求める勢力を多数とするために、選挙や裁判でたたかっていくことの重要性や、今後の運動の課題として、野党共闘や安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合と連携し、憲法改悪と戦争法に反対する勢力を広く大きく広げていくことへの期待が示されました。
記念講演会には２６０人と多くの方が参加。「宇都宮さんの話はとてもわかりやすく、うなずけるものだった。また。鶴岡に来てもらいたい。」などの感想が寄せられました。
