４日に行われた鶴岡市議会の一般質問で、日本共産党の加藤鉱一議員は①藤島こりす保育園の民営化、②敬老事業における補助金統一について質問しました。■保育園指定管理者選定は適正か？
問 藤島こりす保育園の指定管理が提案されているが、申請のあった法人、選定の判断基準、選定に至った理由について伺う。
健康福祉部長 本市の行財政改革大綱実施計画に基づき、民営化を内部で検討してきたが、この４月から関係機関や保護者に説明会を開催し、６月24日に募集の公告を行った。
募集は、市内の社会福祉法人と認定こども園を運営する学校法人を指定し案内した。
７月28日に締め切り、２法人から申請があり、８月６日に市指定管理者選定委員会を開き、社会福祉法人ふじの里が適当であると決定した。
選定の判断基準については、法人の経営基盤、財政状況、類似事業の実績、基本理念と方針、運営や管理内容、収支計画、職員配置計画など全28項目について４段階の評価点をつけ、総合的な評価を行い選定した。
問 もう一つの法人は、藤島町発足以来、60年間も住民の保育を支えてきた法人だが、なぜ保育実績のない法人が選定されたのか。その判断基準は何か。
健康福祉部長 処遇の問題も考慮し、経営基盤や財政力を重視した結果ではないか。
■保育士異動は児童への影響大、対策は
問 民営化へ移行に伴い保育士の大きな異動が生じるが、児童にとって先生が替わることによる影響は大きい。保護者の最大の心配がそこにある。その対策はあるか。
健康福祉部長 民営化では、保護者や子どもにとって大きな不安を解消するために配慮していただくようお願いをし、現在勤務している臨時職員の継続雇用の方針を示していただいている。
３回の保護者説明会では、市職員の派遣が要望されており、保育の継続性とともに不安を解消するために十分に検討していきたい。
問 市は「お願い」だけなのか。
市が責任を持って保護者の不安に応えることはできないのか。
健康福祉部長 保育は自治体の義務なのでやるべきことはやるが、民間の創意工夫や熱意も必要なので、保護者の意向に添うようできるだけ努力したい。
問 保育の民営化は藤島地域では誰も望んでいない。
市の行革方針を押しつけ、藤島の子育てを藤島地域で決められなくてよいのか。
健康福祉部長 その質問には私の範囲内では答えられない。
■大規模保育園に対する特別の支援策は
問 定員２２０名の県下一の大規模保育園であり、現在でも保育の困難性が大きい。
民営化後の大規模保育園に対する委託料や行政支援のあり方など特別の対策はあるか。
健康福祉部長 国の児童１人当たりの公定価格は定員規模で定められ、大規模になるほど低く抑えられるが、市が特別の支援をすることは難しい。
藤島地域の児童数は２年後には１７０人を下回ると予想され、定員を引き下げるなどの対応は可能で、その場合、児童１人当たりの単価は高くなる。」
■敬老会補助金統一は福祉増進に反する
問 旧町村において敬老会の重要性が大きく、行政が主催し、公費負担を確保して盛大に行ってきた。
鶴岡市としては平成24年度に対象年齢を75歳以上に、公費負担方式を補助金に統一したが、過去の経緯を踏まえ、補助金額については旧町村で異なる額を継続してきた。
これまでの旧町村の敬老会についてどう評価しているか。
健康福祉部長 多年にわたり社会に貢献してきた高齢者を敬い長寿をお祝いする目的で開催されてきた。
地域住民総出の協力で開催され、高齢者にとっては年に１度、一同に集う機会で心待ちにしている大切な行事と認識している。
■補助金統一は合併推進の説明と真逆
問 敬老会の補助金統一で残された合併調整の課題はほぼ完了するが、合併推進の説明における「サービスは高い方へ、負担は低い方へ」とは真逆の結果になったのではないか。
「新市の一体感の醸成」の名の下に旧町村の福祉事業を切り下げるのは、自治体の使命である「住民の福祉の増進」に反しないか。
健康福祉部長 限られた財源の下で福祉施策に取り組んでいるが、その見直しや検討は常に行う必要があり、敬老会補助金の地域間格差是正はその一つだ。
団塊の世代が後期高齢者となる10年後の人口予測を踏まえ、敬老会の重要性も考慮し、安定的に継続できるよう検討した結果だ。
問 統一水準では、これまで同様の地区開催が難しくなるが。
健康福祉部長 実施できない水準だとは理解していない。
実際に集落や自治会で実施されている補助金の額に合わせようとするものだ。
問 敬老会を行政がお祝いしてきたものが、町内会単位の事業に変わるのか。
健康福祉部長 この額で良い敬老会ができないとは考えていない。
問 良い悪いではなく、市長がお祝いする敬老会ができないのか。
旧町村に学んで鶴岡市が変わるべきでは。
市長 補助金統一についてはその水準で一部地域でやられてきたものであり、進めさせて頂く。
