私の昭和 31

戦没画家の遺作展

　平成21年７月、鶴岡生協こぴあで、長野県にある「無言館」所蔵の戦没画家の巡回展が開かれた。

　画家を志した学生が戦争に徴兵され、戦陣に散った遺作である。

　平日にもかかわらず大勢の見学であったが、誰ひとり黙して語らず、自画像の前で手を合わせる人もおられた。

　遺書で「私が死んだら、この絵を飾るように」と残して逝った。

　親や兄妹、そして思いを寄せた人に心を残し、どんな気持ちで戦地に赴いたであろうと思うと心が痛む。

　酒田市出身者も遺書を添えて戦陣に散った。

　目頭が熱くなる遺作展であった。

・あなたに見せたい絵がある…。／戦没画学生遺作「祈りの絵」展