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■重要な近代政治史跡と評価
文化庁は、１９９６（平成８）年度から近代遺跡調査を工業、農水業、社会、政治等の各分野で進めています。
今回は各県の「遺跡所在調査 政治（官公庁等）」で、３０４件の中から38件を選び詳細調査を依頼しました。
その中で旧東田川郡役所及び郡会議事堂が選ばれ、郷土研究サークルの青山崇さんに執筆依頼され、報告書が文化庁から３月に発刊されました。
官公庁とは、県庁・郡役所・議事堂、裁判所・刑務所、領事館、税関等のことです。
県内で選ばれたのは旧山形県庁と県会議事堂の２つ、郡政では東田川郡役所と伊達郡役所（福島）、旧宇土郡役所（熊本）の３つです。
報告書の中で旧東田川郡役所及び郡会議事堂が巻頭写真として掲載されています。
■現在地に議事堂も
なぜ巻頭写真に選ばれたのでしょうか。
青山氏によると、「察するに、郡役所と郡会議事堂が共に移転されず建築場所にあること、また郡役所が正面・中心にあって議事堂はそこに行く左手前にあり、行政が立法より上位にある配置になっていて当時の政治を表わしていることなどが評価されたのであろう」とのことです。
鶴岡市の旧西田川郡役所などのようにほとんどが移転保存され、郡会議事堂の併設保存が見られない中で、全国的に重要な史跡とされた意義は大きなものがあります。
なお「報告書」は東田川文化記念館にあります。
旧東田川郡役所及び郡会議事堂（現・東田川文化記念館）『近代遺跡調査報告書 政治（官公庁等）』本年３月・文化庁発刊 PDF
