馬見ケ崎（まみがさき・山形市）　　大沼　浩

　馬見ケ崎１～４は山形市北東の市区です。馬見ケ崎川が両岸に長い河川公園を作り、下流左岸にこの市区があります。東から山地が迫って、川がそれを巡ってカーブしているのが「崎」のゆえんかもしれません。馬見は意味をなさないので、当て字と思われます。

　東京都港区麻布に狸穴（まみあな）があります。狸にはたぬき、むじな、まみの三通りの読みがあるわけです。まみは国語辞典ではむじなのように、アナグマの異称、タヌキと混同とあります。馬見ケ崎は、アナグマかタヌキの住む山地が突き出たところとなります。

　動物はタヌキとアナグマの二種類で、土地によってたぬき、むじな、まみと呼ばれ、地名になったのでしょう。

　大言海はまみを「狸ノ属。」とし、狸ヨリ肥エテ、豚ノ如ク、……肉ノ味、美ナリ」とあります。港区狸穴や地名のまみについてなお諸説があります。

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