９月議会　総括質問（関徹議員）

ルネサス撤退阻止の共同の取り組みを

合併の誤り認め、市民のくらし守る市政を

　鶴岡市議会９月定例会は８月28日開会され、日本共産党市議団を代表して関徹議員が総括質問をおこないました。

　関議員は、①ルネサス撤退の阻止、②公共工事を巡る状況と今後のあり方、③災害復旧工事の速やかな推進と市民負担軽減、④子どもの医療費軽減制度の拡充、⑤介護保険の負担軽減と特別養護老人ホームの整備、⑥財政状況と合併の是非の認識、などを取り上げました。（答弁は次号に掲載します。）

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■ルネサス撤退阻止を

　半導体大手のルネサスエレクトロニクスが８月２日発表した、国内18工場の内、鶴岡工場を含む９工場を閉鎖するリストラ計画が市民に大きな衝撃を与えた。

　市長は、本市経済と市民生活に関わるあらゆる団体・個人に呼びかけて、ルネサス撤退阻止のための共同の取り組みをおこすべきだと考えるが如何か。

　また、ルネサス本社に計画の撤退を求めることはもちろん、政府に対して、地方経済と市民生活を守るために、ルネサスのリストラ計画をやめさせるよう強く求めていくべきと考えるが、市長の見解は。

■公共工事―適切な工期・価格設定を

　本市の建設事業は、水族館、朝日中、四小、文化会館とかつてない集中発注となっているが、職人不足など厳しい状況の中でより良い施行が確保されるために、事業者支援などの施策が求められる。

　工期の設定について、従来より余裕を持たせた設計をおこなうべきではないか。

　本市の「建設工事請負契約約款」の「物価スライド条項」適用は適正になされているか。

　本市は一定の工事に「下請けの際の地元業者発注率90％以上」という条件を設定しているが、昨今の状況の中で、工事の着実な遂行と発注率の条件が両立すると考えているのか、すべての職種について可能と考えているのか。

■工事費受益者負担の軽減を

　中山間地では、度重なる災害の度に迫られる出費は、住民に大きなダメージを与え、営農放棄の引き金にも、中山間地に住む意欲を減退させる要因にもなっている。

　復旧工事における本人または関係者の受益者負担を軽減する措置をとる考えは無いか。

　農道について、豪雨等による損壊が重なる箇所は、その都度砂利の敷き直しを繰り返すということは、本人にとって耐え難い負担であり、災害対策として舗装を実施する考えは無いか。

　本市請負工事約款で、「工事一件に一人の現場管理者配置」が義務づけられているが、小規模な復旧工事も多い中で、この義務づけが早急な工事推進の妨げにならないか心配になる。一昨年の冬のように時限的に緩和措置を取る考えは無いか。

■中学校卒業まで外来診療無料に

　市長は、平成22年度予算で、中学校卒業時までの医療費軽減制度の拡大を実施したが、各自治体の施策はその後も進展し、今や本市の制度は、県内で最下位レベルとなっている。

　外来（診療）でも中学生まで拡大することが、子育て世代のみならず、市民の願いと考えるが如何か。

■介護負担軽減と特養ホームの増設を

　本市の介護保険料は、昨年度から三ヶ年の第五期計画の基準額で年額１２６００円上昇して、６４６００円と県内一高い保険料となった。旧鶴岡市第一期の３３０００円から見ると約２倍だ。

　保険料負担の軽減は、根本的には国が当然の責任を果たすべきだが、県内一重い負担をかけている本市としては、法定外繰り入れに踏み出し、保険料を抑えていくことを検討すべきではないか。

　特別養護老人ホームの入所待機者が約１３００名と、合併時の２倍に急増している。保険料を取っておきながら、いざ利用しようとしたら「対象外」「４、５年待ち」ということはあってはならない。

　施設の増設計画を大幅に上乗せするための再検討をおこなうべきではないか。その場合の給付費増が保険料に跳ね返らない措置も求められる。

■合併の負担から市民の暮らし守れ

　
　合併後の本市では、合併調整と「特例期間終了後を見据えた」行革が推進されてきた。国保税・介護保険料引き上げ、保育園・学校給食の民営化など、この間の空前の市民サービスの削減と市民負担増には、特に旧５町村から疑問と怒りの声が上げられてきた。

　一方で、先端生命科学研究所だけは聖域とされて、毎年５億円近い市税が投入され続けていることも、行革に疑問の眼が向けられている要因の一つだ。

　平成32年には「交付税40億円減少」が想定されている。つまりこれから７年間に、この間の倍以上の市民負担増とサービス削減が必要になるということか。

　「合併して良かったと言える街づくり」などと市民の実感に合わない言辞を弄することはやめ、合併を選択した誤りを認め、「合併の負担から市民の暮らし守る」ことを市政の柱にすべきではないか。