巳ノ虫（みのむし・東堀越）　　大沼　浩

　　今年は巳年です。巳の十二支獣は蛇・へび・じゃです。庄内に蛇・へびの付く地名は見当たりませんが、蛇・じゃの方は大蛇の仕業に託された蛇崩・じゃくずれ、蛇喰・じゃばみなどを前に取り上げました。

　巳ノ虫は東栄東堀越の小字です。寺川の右岸に沿い、上蛸井に対しています。青山崇『藤島地名風土記』には「巳ノ虫は蓑虫のことで」「地形が蓑虫の形すなわち蓑に似ていることにちなむと考えられます」とあります。

　思い付きですが、巳はへびのことで、へびは虫でしたから、巳ノ虫はへびのことかもしれません。ただし実際の土地との関係ははっきりしません。

　庄内町や鶴岡市朝日地区に小字毒蛇がありますがこれもはっきりしません。庄内町余目の常万ですが、安倍親任『筆濃餘理』には「道万沼・八つ沼抔云テ大沼有テ大蛇住リ。」という伝承があります。

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