瀬波（せなみ・新潟県村上市） 大沼 浩
民報藤島2012年12月9日第874号
村上市の海岸一帯で、村上町、瀬波町とならんでいましたが、村上市の一部となり、それ自体幾つかの町をもっています。温泉で知られています。
鈴木■三『村上市歴史散歩』によると、延喜式（９２７年編纂）に、「磐舟郡八座として石船神社・西奈弥神社などの名があります」といい、西奈弥神社の祭神は保食神で、「太古、この神様が家来を従え、海上からこの地に来られたとき、快風を背に受けて上陸されたので、
<よき背の波かな>と申されたということから、セナミという地名が生まれたと云われています。」と記しています。
セナミは瀬並とも考えられます。瀬は川の浅瀬、渡り場ですが、海にも言います。セナミは海の浅瀬に並び続く土地ではないでしょうか。瀬波は山形市の北にもあります。類似地名には三川町の善阿弥、新庄市の前波があります。
(■は金偏に申 しん）
