コトバ
クリスマスケーキ 大沼 浩
民報藤島2012年12月9日第874号
スポンジケーキの台にチョコレートやクリームを塗り、人形などを載せたクリスマスケーキ。辞典をひかなくても分かっているとお考えでしょうか。
英和辞典には「普通フルーツケーキ」と注意があり、日本語と英語でクリスマスケーキは違うのです。英語では特別なケーキはなくて、フルーツケーキでクリスマスを祝います。
フルーツケーキは真ん中に穴が開いたパイナップルやアプリコットの入った材料を詰め、上にぺカンというナッツを並べ、赤青の果物の砂糖煮を配して焼き上げます。
ジョン・グリシアムの「スキピング・クリスマス(クリスマスを抜くほどの意)」という小説には、クリスマスが近付くと市の消防署の職員が家々にケーキの注文を取りに来るのです。ケーキを焼いてお金にするのですが、やはりフルーツケーキです。私が知っているのはアメリカのテキサスのフルーツケーキですが、アメリカは移民の国、ケーキの伝統もヨーロッパにさかのぼるのです。