ウエナイ（遊佐町吹浦）　　　大沼　浩

　ウエナイは吹浦の小名です。大物忌神社の社地と吹浦の後方高地との間の合間といいます。カタカナ表記ですが、上苗と当てられることもあり、アイフ語地名説があります。単に上の家のことという説もあります。

　アイヌ語は外国語ですから、地名について日本語では分からない、なんだかアイヌ語に似ているという程度ですが、にかほ市象潟について、アイヌ語関連の事情を集め、キサ潟はキサラ（アイヌ語耳）潟ではないかという説を提出しました。

　ウエナイがアイヌ語というのは、院内・いんないに似ているからです。院内はにかほ市のもと仁賀保町にあります。また奥羽本線で及位から秋田県に入った湯沢市にもあります。

　院内は、原名はウエンナイで、「ウエンは悪の意で、よくない沢、よくない川の意味」と金田一京助はいいます。院内は本来ヰンナイですから、ウエナイーウエンナイーヰンナイの組み合わせができます。

　仁賀保・にかほにもアイヌ語説があります。

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