最近、亡くした人への思いの深さにふれる機会がありました。
▼最近、亡くした人への思いの深さにふれる機会がありました。
葬儀から10日もたって知らされ、駆けつけました。不明をお詫びし、在りし日の思い出を語ってきました。夫人は毎日、仏前に線香を上げて手を合わせ、写真の亡き夫に語りかける日々を送っているとのこと、「独り暮らしでも淋しくないよ」。
▼もう一つ。
葬儀の会葬の礼状に心打たれました。
通常は印刷所のサンプルに手を加えた礼状が、喪主はご子息でしたが、妻の思いが綴られたものでした。
一部をご紹介します。
▼農業一本で家族の幸せを守ってきた夫。六十歳になった頃だったでしょうか、「これまでは家のためだったから、これからは人のためにも何かしたい」と言ったことがありました。それからというもの積極的に地域の活動にも参加し、夫なりにいつも懸命。そんな姿を私は密かに誇らしく思ったものです。趣味にも手を抜くことはありませんでした。時間があればページをめくって読書に興じ、ファインダーを覗いていたかと思えばシャッターをきって…病がわかってからも本を出すのが目標とパソコンに向かって『夕陽のガンマン』というプログを書き続け、きらきらと輝かせた命。欠点もあったのでしょうが、そんなところはもう思い出せないほど最高に幸せな日々をプレゼントしてくれた夫へ、心を込めて「ありがとう」の言葉を贈りたいと思います。……。
