官制ワーキングプアつくって

鶴岡市はどーすんだ!?

公民館主事に５年間で雇い止めの通告

　長期間、公民館の社会教育活動を担ってきたベテランの公民館主事や、学校業務員など嘱託職員に、「手当の段階的カットと、22年度から５年間で雇い止め」の通告が３月１日付けで個々人に文書で渡されました。

　40代50代の働き盛りを官制ワーキングプアにして使い捨てにする大きな問題です。

■３～５年で使い捨て

　鶴岡市職員課では平成22年度、新たに「非常勤一般職員等の任用に関する規定」を制定し、合併前から継続雇用していた非常勤職員に対し、特例の経過措置を設けて、27年度に任用と勤務条件を統一するとしています。

　新たな規定では、

　①任用期間は非常勤職員の場合１年以内、臨時職員は６ヶ月以内とされ、

　②任用の更新は非常勤職員は通算で３～５年を限度に、臨時職員は６ヶ月以内の更新とされます。

　③１週間の勤務時間は、非常勤職員は30時間以内とされ、正規職員の４分の３を超えない範囲とされます。

　④基本賃金は、日額賃金（７時間45分）で一般事務が６２６０円～６７３０円、保育士・幼稚園教諭が７０００円～７３５０円、技能労務が６７３０円～８２７０円、栄養士・管理栄養士・看護師・保健師等は７３５０円～８２７０円です。

　時間給では８７０円～１０７０円。

　月額賃金（１週間30時間）は一般事務職が13万１２００円、知識経験職14万５千円～17万３千円、資格免許職（短大卒以上）15万６千円～17万３千円とされます。

　⑤通勤加算や年次有給休暇、特別休暇はありますが、手当や退職金はありません。

■脱法的な疑い？

　３年～５年有期で雇い止めとしたのは、「継続雇用への期待権侵害」（※）とならないようにしたためで、勤務時間の制約も退職手当を支給しないための逆算になっています。

（※07年11月28日・東京高裁判決:中野区の非常勤保育士４人が地位確認を求めた裁判で、「期待権侵害の慰謝料として１年間の賃金相当額」を認めた。）

　退職手当は、国の基準で①常勤並みの勤務時間②18日以上勤務した月が６カ月を超えること③６カ月を超えた後も同様の勤務が続くとみなされること―などの条件を満たせば非正規職員も受け取り可能とされています。

■不安定雇用を増やすのか！

　旧藤島町では公民館主事や学校業務員を嘱託職員として採用し、継続雇用を保障し、経験年数や年功で給料を引き上げ、手当も一時金で１・５ヶ月支給してきました。

　公民館主事も学校業務員も、臨時的業務ではなく恒常的業務で、しかも責任の大きい仕事をおこなっています。

　勤務内容は常勤職員と同等で、給与は本人家族の生活給であるにもかかわらず、正規職員との格差がありました。

　それが、今度は給料は月額22万円前後が13万１２００円に落とされ、手当もなくなるのですから深刻です。

　しかも、恒常的業務で仕事は続くのに、いくら仕事がベテランでも雇用年限で辞めさせるのですから、「不安定雇用を増やす鶴岡市は何をやっているのか！」という怒りが起きるのは当然です。

　日額給与の臨時職員も１ヶ月間の解雇で再雇用とされ、その間は無収入で社会保険もない状態にさせられます。

■使い捨ての「有期雇用」規制こそ

　いまや自治体の業務はどこでも臨時職員がいなければ回っていきません。

　鶴岡市では職員の３人に１人、藤島庁舎は２人に１人が臨時・非正規職員です。

　それが短期間で使い捨て雇用となれば、行政の劣化は避けられません。

　現行法制度は、現在の非正規職員の増加を想定したものとはなっていません。

　「有期雇用」を規制し、自信と安心を持って働ける職場をつくることが、住民にとって信頼のおける役所となるのであり、改善は待ったなしです。

藤島小学校と藤島公民館でおこなわれている学社連携事業。１年間大豆づくりを通して学び合い、公民館主事の役割は大きい。

非常勤一般職員と臨時職員の定義 （鶴岡市の非常勤一般職員等任用規定における定義） ○非常勤一般職員：常勤職員の１週間の勤務時間に比し相当程度短い勤務時間で、かつ、任期の定められている職員のうち、次のいずれかの条件により任用されるものをいう。ただし地方公務員法第３条第３項に規定する短時間勤務職員を除く。 ア　職務の遂行に必要な特定の資格、免許、経験又は技能を必要とする業務であり、常勤の職員を充てることが適当でないこと。 イ　常勤の職員の勤務時間を勤務して処理するに至らない業務を職務内容とし、ある一定の期間継続して同一人を任用する方が業務を行う上で効率的かつ経済的であると認められること。 ○臨時職員：法第22条第５項の規定により臨時的に任用される者。（緊急の場合又は臨時の職に関する場合。６月をこえない期間で臨時的に任用され、６月をこえない期間で更新できるが再度更新できない。）