鶴岡ルネサンス宣言の５つの事業
バイオ投資と給食委託は反する
鶴岡市の２０１０年度予算は、榎本政規市長の初の当初予算で、「鶴岡ルネサンス宣言」を政策の中核に据えたとしています。
宣言は、「市の歴史、文化、産業、豊かな自然を新しい観点から市民と一緒に活用していく」というもの。
そのなかで、
①「創造文化都市宣言」では、地域資源を活用するとして、大学等の力を産業分野に活かす地域産学官連携や、鶴岡食のマエストロ発掘など。
②「観光文化都市宣言」では、観光大使30人の任命や加茂水族館の整備など。
③「学術文化都市宣言」では、バイオ研究支援と産業化に向けた新たな拡張事業。
④「安心文化都市宣言」では、中学生まで入院の医療費を無料化し、藤島地域にデジタル防災無線、朝日地域にケーブルテレビ機能を活用した音声告知設備の整備。
⑤「森林文化都市宣言」では庄内自然博物園（仮称・総事業費10億円）の着工に入ります。
榎本市政は、「市民の意見を聞く」として車座ミーティングや、行財政改革推進審議会に公募の委員を加えたこと、衰退の大きい旧町村に対して、各地域庁舎の振興ビジョンや活性化推進事業に取り組むなどは評価されます。
共産党市議団が提起した中学生への医療費無料化を市独自に拡大したことも前進面です。
■地域の力でできる仕事を大手業者に
大きな問題はバイオ研究関連に大きな投資を続け、その一方で市民の暮らしに回す予算が削られていることです。
慶應先端研を中心にしたがん研究と医療に関するセミナーが13日、東京第一ホテル鶴岡で開かれ約４００人の市民が聴講しました。
国立がんセンターとの最先端の共同研究の一方で、「鶴岡の銀座通りはネコ一匹が通るだけ。若者の定着する地域に貢献を」（中目鶴岡医師会会長）とのあいさつもありました。
荘内病院の給食委託は、この地域の力でできる仕事を、東京丸の内に本社のある日清医療食品にゆだね、榎本市長のいう「市民力、地域力、行政力」に反するものです。
暮らしに身近な予算では、敬老会の１人当たり公費負担が藤島では２８００円から２４００円に削減されます。
羽黒中学校の改築では、給食室をなくし、他の地域の給食センターから配送する計画で、旧町村に対する合併の痛みは続きます。
鶴岡市 平成22年度 主な事業 (当初予算)
ル
ネ
サ
ン
ス
宣
言
関
連
事
業 |
事業名 |
22年度 |
21年度 |
20年度 |
19年度 |
| 地域産学官連携促進事業 |
468万円 |
大学等と農商工観連携で産業化にいかす |
| TMO補助金 |
900万円 |
鶴岡食のマエストロ発掘、商店街づくり |
| 観光大使 |
72万円 |
著名人や経済人など30人を観光大使に |
| 加茂水族館改築調査事業 |
381万円 |
574万円 |
200万円 |
| 先端研究産業支援センター拡張事業 |
4億8104万円 |
21年度補正で4億1800万円（総額16億円） |
| 先端生命科学研究所等支援事業 |
3億1595万円 |
3億4220万円 |
3億4105万円 |
3億4980万円 |
| 新産業創出地域基盤事業 |
7124万円 |
7555万円 |
6498万円 |
6544万円 |
| 防災行政無線整備事業 |
759万円 |
藤島地域と赤川沿いにデジタル同報無線 |
| 音声告知設備整備、荒沢３号橋管路敷設 |
4090万円 |
朝日地域に音声告知設備 |
| 消防本部・本署庁舎新築事業 |
18億4275万円 |
7億8452万円 |
4億2730万円 |
| 庄内自然博物園（仮称）整備事業 |
7億2881万円 |
539万円 |
70万円 |
| ラムサール条約湿地保全推進事業 |
117万円 |
255万円 |
|
| 西郷地区農林活性化センター（仮称） |
5億2865万円 |
|
| 地域住宅活性化基盤整備事業 |
390万円 |
地域産材を活用した住宅建設モデル事業 |
| 行財政改革推進委員会費 |
288万円 |
市の行財政改革大綱策定に民間委員 |
| 地域振興ビジョン推進事業 |
407万円 |
各庁舎の地域振興プロジェクト |
| 地域活性化推進事業（先駆的振興） |
1367万円 |
各庁舎の先駆的取り組みを実施 |
| 朝暘第１小学校改築事業 |
1億5887万円 |
13億4385万円 |
8億8418万円 |
4260万円 |
| 大山小学校改築事業 |
5180万円 |
3億8927万円 |
2億5285万円 |
2500万円 |
| 朝暘第４小学校改築事業 |
1780万円 |
耐力度・地質調査 |
| 羽黒中学校改築事業 |
5600万円 |
3217万円 |
(3217万円) |
800万円 |
| 小学校耐震補強事業 |
5599万円 |
斎・由良・福栄小の屋体耐震補強工事 |
| 藤沢周平記念館（仮称）管理運営事業 |
3289万円 |
2160万円 |
|
| 致道博物館整備計画策定事業 |
360万円 |
「旧鶴岡警察署庁舎」保存修理計画 |
| 総合保健福祉センター整備事業 |
3363万円 |
15億8052万円 |
9億8387万円 |
3億3774万円 |
| 総合保健福祉センター管理運営事業 |
4353万円 |
平成22年4月開所 |
| 子ども家庭支援センター管理運営事業 |
2402万円 |
総合保健福祉センター内に設置 |
| シビックコア地区整備事業（病院跡地） |
ー |
3億2745万円 |
2億9600万円 |
8億4309万円 |
| 朝日スポーツセンター運動場整備事業 |
2910万円 |
電源立地交付金事業 |
| 農地・水・環境保全向上対策 |
1億6428万円 |
1億0793万円 |
1億1050万円 |
1億0203万円 |
藤島地域の主な事業
| 事業名 |
22年度 |
21年度 |
20年度 |
19年度 |
| 藤島城址前等整備・歴史公園整備事業 |
1493万円 |
810万円 |
1018万円 |
2390万円 |
| 東田川文化記念館運営事業 |
1381万円 |
1465万円 |
810万円 |
837万円 |
| 藤島体育館管理運営事業 |
2953万円 |
3181万円 |
3302万円 |
3444万円 |
| 農村環境改善センター運営費 |
606万円 |
623万円 |
885万円 |
924万円 |
☆22年度主要事業で「デジタル同報系防災無線」が藤島地域と赤川沿いに整備
