周平14回忌供養―周平ゆかりの旧黄金村役場保存を　　青山　崇

　１月26日は周平の命日である。月日が経つのは早く、前々日に14回忌供養が高坂・洞春院で行われ昨年に続いて出席した。「始めてよ」と言う周平研究者の松田静子さんも一緒だった。冷えびえとしていたが風雪もなくまずは穏やかな日であった。２人の住職さんの読経があり、遺影を見ながら私は周平についてあれこれ静かに考えた。

　その後、高坂公民館で20人が参加して総会・懇親会が行われた。周平が勤めた旧黄金村役場保存と周平記念館の開館によって多くなるだろう高坂を訪ねる人びとの応対が中心話題になった。これらは保存会の性格をよく考慮してかかわることになった。

　旧黄金村役場保存は従前にも問題になった。周平が師と仰いだ故高山正雄氏の長男・邦雄さんともお会いできた。妹・高山秀子さんが、昨年４月山形新聞で「周平追憶の場所に」と訴えておられたし、私も同紙に「生地の香り残したい」と書いた。これまで訪れた人は必ず案内を望む所だという。市は当面壊さない意向だという。

　挨拶を求められた私は、「これほど故郷に執着した作家もめずらし」と言われ、周平自身も、作家になれたのは高坂村に育ったからだと言い、繰り返し故郷のことを書いている。夜間中学に通いながら勤めた故郷の職場を保存することは周平の意にも適うことなので全国フアンにも呼びかけてはと話した。