米国における日本の社会的・文化的研究の発展、及び日米の知的交流促進に大きく貢献したことが高く評価されました。
ケリー教授は、昭和51年（１９７６）に東渡前の成沢昭さん宅に１年半の間ホームステイし、日本の農業社会の実地調査をおこない、研究を発表してきました。
■成沢昭信さんがメッセージ贈る
今回の受賞に対して、成沢昭信さんは次のようにメッセージを贈っています。
「旭日中綬章おめでとうございます。……。
ケリーさんとのお付き合いが始まったのは今から33年前です。当時の我が家は貧乏農家の大家族です。その中に飛び込んできたのですから大変な苦労があったと思います。
昼は農作業を手伝い、夜になると酒飲み親父の晩酌に毎晩付き合わされ、私の娘（２歳）を風呂に入れてもくれました。勉強はその後だったので、我が家は研究のお手伝いというよりは邪魔をしてたと思っています。
冬はとても寒く、暖房といえばコタツが中心で、ケリーさんも家族も全員が一緒に暖を取るのですから、寒くて大変でしょうと言うと、コタツは心から暖かくなるから少しも気にならないといっていました。
そんなケリーさんでしたから、77歳のおばあさんも２歳の娘も全員がケリーさんを大好きでしたし、村人皆から好かれていました。私たち日本人が失いかけている心の豊かさを私たちに無言で教えてくれました。……。
ケリーさんの旭日中綬章は、私たちにとっても自分たちのことのようにうれしいニュースでしたし、ケリーさんと知り合えた私たちは今、とても幸せな気分にひたっています。 山形県庄内の農民 成澤昭信」
授章式は11月19日にイェール大学にておこなわれます。
