新型インフルエンザのワクチン接種は鶴岡市でも始まりました。
厚労省によれば、ワクチンの確保は年内に人口の20％分、将来的に約60％分を準備するとしています。
ワクチンの量に限りがあるため接種の優先順位が決められています。
| ワクチン接種スケジュール 山形県の接種スケジュールは次のとおりです。 医療従事者には10月20日から接種が順次進められています。 基礎疾患を有する小児（１歳～小学校３年生）については、接種開始予定日は11月５日からです。 妊婦については接種開始予定日は11月16日からで、母子健康手帳を提示し、原則としてかかりつけの産科医院で接種を受けることになっています。 小児以外の基礎疾患を有する人で主治医から最優先とされた人も11月16日からです。 それ以外の基礎疾患を有する人は12月～ １歳～小学校３年生は12月中旬～ １歳未満児等の保護者、小学校４～６年生は１月～ 中高生、高齢者は１月中旬～です。 基礎疾患とは、呼吸器、心、腎、肝、神経・神経筋、血液に慢性疾患がある人や、糖尿病の人などです。 |
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ぜんそくなど最優先対象の人でも特別の通知があるわけではありません。
かかりつけ医師がある人はそこで接種を受けられますが、そうでない人は医師から証明書をもらう必要があります。
健康な成人が接種できる時期については見通しは立っていません。
■２回で６１５０円
費用は健康保険が使えず全額自己負担です。
１回目が３６００円。２回目は同一医療機関で接種した場合に２５５０円（異なる場合は３６００円）です。
２回接種で自己負担は６１５０円かかり、４人家族全員が接種すれば約２万５千円の出費となり、負担が重くのしかかります。
■低所得者は無料に
国では市町村が低所得世帯の負担を軽減する場合、助成措置を決めました。
鶴岡市では11月５日からの臨時議会に一般会計補正予算を提案します。
「新型インフルエンザワクチン接種費用負担軽減事業費補助金」で、ワクチン接種の優先接種対象者等のうち、生活保護世帯と市民税非課税世帯の対象者は実費負担が無料になります。
事業費は国１／２、県と市町村が１／４づつとなっており、県と市町村負担分については特別交付税による地方財政措置を実施することになっています。
鶴岡市の優先対象者は６万６８４２人で、そのうち生活保護・非課税世帯は１万２０２０人（約18％）。軽減所要額は７３９２万３千円で、その内訳は国県支出金が５５４４万２千円、市の一般財源が１８４８万１千円です。
対象者は市の窓口で負担免除の証明書などを発行してもらい、医療機関で接種を受け、医療機関が市に費用を請求するという流れが基本になります。
市では医療機関に対する説明会を10日頃に予定しているため、実施時期が11月中旬以降になり、それ以前に接種を受ける人は一旦窓口で全額支払い、後で償還払いになります。
■「集団免疫」
インフルエンザは多くの人が一斉に感染するのが特徴で、免疫を持たない集団の中にいったん病原体が持ち込まれると、瞬く間に広がっていきます。
しかしある集団の60％が免疫であれば大流行を起こすことはないと考えられています。
ワクチンを接種しても重症化を防ぐだけで感染自体は防げません。
ある一定レベルまで免疫を持っている人を増やす（「集団免疫」）ことにワクチン接種は大きな意味があります。
■中学生まで無料化を
全国で特に小学生低学年までの小児感染者の増加や死亡など重症例が報告されています。
日本小児科学会などでは子どものワクチン接種の無料化と早期実施を要望しています。
８月28日に発表した「新型インフルエンザ・ワクチン実施に際して重要な事項」の中で、「経済格差により接種を受けられない小児がでないように、接種費用は無料にすべきである」と求めています。
また10月23日には、健康小児へ「可能な限り早期に実施できるように体制を整備いただきたい」と要望しています。
鶴岡市で１歳～中学３年生全員に無料実施した場合、費用は１万７千人分で１億０５００万円見込まれます。
■独自に助成拡大
ワクチン接種に自治体の独自助成が広がっています。
県内では、山辺町と上山市が１歳から中学３年のすべての子どもにワクチン接種費用を半額とする方針です。
福島県飯舘村では中学生以下は無料にし、65歳以上は千円のみの負担とします。
宮城県富谷町では優先接種対象者全員が無料接種です。
岩手県釜石市では妊婦と１歳～中学生が１回目無料、２回目が自己負担（２５５０円）です。
青森県東通村は全村民に全額助成し無料接種券が配られます。
■無保険なくす
国保税滞納者で事実上「無保険」となった世帯には、新型インフルエンザ対策として保険証を交付すべきです。
お金がなくて治療を見送り、重症化や感染の広がりがないようにするべきです。
