カビや残留農薬に汚染された輸入米の不正転売問題はどこまで広がるのかー。
保育園や学校、病院、福祉施設で給食に使われ、おにぎりとしてコンビニで販売されたことが次々に明らかになっています。
汚染米問題は、太田誠一農水相と白須敏朗農水事務次官のいっせい辞任にも発展しました。
不正に転売した三笠フーズなど一部業者やそれを見逃してきた農水省の責任は明らかですが、問題を生み出した土壌は自民党農政自身がつくりだしてきたものです。
■不要なＭＡ米を輸入し続け
政府は１９９３年のウルグアイ・ラウンド（多国間通商交渉）で、米国などの圧力に屈してミニマムアクセス（最低輸入機会＝ＭＡ）米の輸入を受け入れ、95年度いらい計８５０万トン以上も輸入してきました。
コメは自給できるのに、不要なＭＡ米を輸入し続け、実際は輸入機会の提供にすぎないものを、ＭＡ米が国際的義務などとウソを言い続けてきた政府に大きな責任があります。
■規制緩和が背景に
コメの流通が複雑化したのは、自民党政府が進めた規制緩和に大きな要因があります。
小泉政権は２００４年に売買業者を登録制から届け出制に変え、規制を完全に撤廃しました。
米の流通を市場まかせにして、輸入米による過剰をつくり出し、生産者米価を底なしの暴落状態に追い込みました。
■加藤代議士は「残留基準が変わったから」と責任転嫁
日本の食の安全と農業生産をズタズタにしてきた自民党は、その責任をとるどころか、みぐるしい責任転嫁を言っています。
日本農業新聞９月24日付、２面「アンテナ」欄に、「農薬汚染米をわざわざ輸入したのではなく、輸入後に残留基準が変わり事故米として工業用に販売した」と説明する自民党総合農政調査会の加藤紘一最高顧問（衆・山形）。ーなどと報道されています。
■毒性はダイオキシンの10倍
アフラトキシンやメタミドホスに汚染された輸入米は、「残留基準が強化されたから事故米になった。規準が変わる前は安全だった」とでもいうのでしょうか。
アフラトキシンは自然界最強の発がん物質といわれ、その毒性はダイオキシンの10倍ともいわれています。
その中でもＢ１が最も毒性が強く、アフラトキシンは、遺伝子の突然変異を起こしやすい遺伝毒性発がん性物質であることから、摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される「耐容摂取量は設定されていない」（食品安全委員会）というほどのものです。
■米価暴落も責任転嫁
加藤代議士は、米価暴落についても、「農家が減反を守らず過剰作付があるから」で、全農が「内
金７０００円にした」「農協が安値で売り急ぎしたからだ」と農家と農協に責任があるかのように言ってきました。米価暴落の原因は、自民党農政が日本の米需要量の１割ものＭＡ米を受け入れて「米過剰」をつくり、価格保障を廃止、流通自由化をしたために、量販店が買いたたきしやすくなったことにあります。
自分の責任を棚に上げて他に転嫁するような政治家に、これ以上責任を持たせることはできないでしょう。
■総選挙は百姓一揆だ!!
先ごろ藤岡の太田榮市さんは、農業衰退の現状を憂い、「百姓一揆よ起これ!!」との思いを込めて、篆刻を製作しました（写真）。
稲作農家の昨年（２００７年）の家族労働報酬は、全国平均でみると一日８時間で１４３０円、「時給」換算にするとわずか１７９円でした（農水省統計情報部）。
前年（２００６年）は時給２５６円でしたが、それを77円下回りました。
ＭＡ米を受入れ、農業破壊をすすめたのは自民・民主・公明・社民が共犯者です。
総選挙は百姓一揆で日本共産党の躍進を実現すべきときです。
