平和都市宣言に「非核」明記させよう

市民の会が運動始める

■「非核」ない市当局の宣言案

　鶴岡市が策定を検討している平和都市宣言が３月、市議会会派代表者会議に当局案文が示されましたが、案文には、「非核」や「核廃絶」の文言が無いことから、宣言に「核兵器廃絶」を明記させようという市民運動が始まりました。

　議会請願などの運動をおこなってきた「鶴岡市に平和都市宣言を求める会」を中心に、鶴岡生協などの団体や個人で、２日に正式に発足しました。

　会では、宣言文策定作業への市民参加（委員公募）を求め、宣言後の平和事業の充実などをめざします。

　今後、署名や市長への要請はがき、市内全世帯対象のチラシ折り込み、議会への要請などに取り組んでいきます。

　５月31日には、鶴岡市勤労者会館大ホールで集会を予定しています。

■与党会派が反対

　合併前の旧６市町村の平和宣言では、宣言の表題または文章の中に「非核」が明記され、「核兵器廃絶」が宣言文の中心的内容になっています。

　旧鶴岡市の宣言は、昭和60年９月21日に議決されていますが、「核兵器廃絶」が明記されていました。

　ところが今回の案文では、その下りは「武力紛争」「大量破壊兵器」などに置き換わり、「非核」も「核兵器廃絶」も消えています。

　これは、新政クラブなどの与党会派が、「テロリズム、宗教、貧困なども重要」「『大量破壊兵器』の中に核兵器も含まれる」などとして、「核兵器廃絶」を明記することに反対していることからおこっている事態です。

　核先制使用政策を掲げるブッシュ政権に追随する自公政府に、ただ忠実なだけで、市民の非核の願いを排除する姿勢は問題です。

鶴岡市に平和都市宣言を求める会

　代表・渡會俊正・渡會酒造社長
　渡部俊三・元山大農学部長
　三浦恒棋・つるおか被爆者の会会長
　渡辺成就・常念寺住職
　山口考子・元鶴岡市平和都市宣言記念事業実行委員長
　小泉信三・田川地区平和センター議長
　柳原敦・鶴岡田川地域労連議長

○「非核」のない市当局の案文

　世界の恒久平和実現は、人類共通の願いです。
　しかしながら、いまなお武力紛争により尊い生命が奪われ、さらには大量破壊兵器が拡散するなど、世界の平和に大きな脅威をもたらしています。
　武力紛争等を無くし、大量破壊兵器の速やかな廃絶を訴え、市民の永遠の平和と繁栄を願い、ここに「平和都市」を宣言します。

○旧市宣言

鶴岡市平和都市宣言
昭和60年９月21日議決

　世界の恒久平和は、人類共通の念願である。
　しかしながら、核兵器拡大競争は依然として行われており、人類の生存に深刻な驚異を与えている。
　核兵器の廃絶は緊急な課題であり、我々は世界唯一の被爆国民として、その廃絶を強く訴えなければならない。
　鶴岡市は、市民の永遠の平和と繁栄を願い、ここに「平和都市」の宣言をする。

○藤島町「非核平和の町」宣言

昭和59年12月18日議決

　世界の恒久平和は人類共通の願いである。
　しかし、核兵器拡大競争は依然として行われており、人類の生存に深刻な脅威を与えている。
　わが国は、世界唯一の被爆国として平和憲法の精神に基づき、核兵器の廃絶を強く訴えなければならない。
　藤島町は、非核三原則の堅持とすべての国の核兵器の廃絶を求め、人類の恒久平和を希求し、ここに非核平和の町となることを宣言する。