庄内町議会は26日、臨時会を開き、JR余目駅前にある農業倉庫などの土地と建物の購入費など、１億１２４４万２千円を追加する本年度一般会計補正予算を、賛成８人、反対10人の賛成少数で否決しました。■一企業に特例債
上程された補正予算は、余目駅前の庄内みどり農協新堀倉庫と余目町農協倉庫などの土地と建物の購入費が約１億１２４４万円、倉庫内部を改造するための設計委託料が約５７８万円などで、財源は国の市町村合併補助金１億１２４４万円を充当するとしています。
合併補助金総額２億４０００万円（３年間）の約半分をつぎ込み、さらに今後、賃貸用事務所とする新堀倉庫雑品庫の改造費は、合併特例債７０００万円をつぎ込む計画で、反対討論に立った日本共産党の日下部勇一町議は、「旧立川町と旧余目町のサービス水準の確保、強化に当てる財源はほとんどなくなる」「一企業のために合併特例債を使うことは納得できない」「町長と副町長がアクセルを踏んでブレーキをかけることが出来なくなっていれば必ず事故が起きるおそれがある」と述べました。
■10億円の開発事業
庄内町の原田眞樹町長は、今年２月に入ってから、突如１Ｔ企業の誘致を進め、余目駅前倉庫を活用した中心市街地活性化計画で、観光物産交流施設や庄内全体の観光情報発信基地にするとして、今後10年間で総額９億７７００万円の開発事業を計画しています。
進出する企業は日本ユニカシステムズ㈱（本社・東京）で、２月28日には早々と町と会社で「新会社設立に関する協定書」を町議会議長の立ち合いのもとで取り交わしています。
原田町長が議会に初めて説明したのは４月中旬で、わずか３カ月で大型事業を通そうとしました。
町民の一人、佐藤正一さん（連枝）は、「町の工業団地には空き地がいっぱいあり、そこに来てもらえばいい。駅前再開発は鶴岡も酒田も税金を投入して失敗している。町民のためにならない。予算はいのちと暮らしに回すべきだ」と語っています。
写真：農業倉庫を指さす日下部勇一町議
