第23回・真壁仁・野の文化賞

板垣昭一氏『北のはざま』

　板垣昭一氏（宝町）は、松本十郎を描いた『北のはざま』で第23回真壁仁・野の文化賞を受賞しました。

　これまで流布されてきた戊辰戦争賊軍のくせにという冷笑、旧藩士から新政府官僚への変身・裏切りという悪口など、負を背負う松本十郎像に対し、北海道開拓を舞台に、アイヌを守れば登用した黒田清隆長官と対決し、従えばアイヌを見殺しにするという、文字通り「北のはざま」で苦闘・苦悩しつつ生き抜く人間・松本十郎の実像を全面的に、史実をもとに深くていねいに浮かび上がらせた初めての力作であり、遺族や顕彰する会も高く評価しています。

　これまでの庄内の受賞者は、

第８回・安倍博行『小倉金之助』

第13回・佐藤治助『吹雪く野づらに』

第19回・中津玲『五重塔遺聞』

　で、４人目です。

　来年１月20日、山形市大手門パレスで、贈呈式と祝賀会が催されます。

　お問い合わせは、野の文化賞選考委員の青山崇氏（64・２６５３）へ。