船見台水源を守ってほしいー湯田川

　鶴岡市の湯田川温泉では現在、月山ダム導水管がありますが、藤沢地区の船見台水源の地下水を利用しています。

　その簡易水道を鶴岡市では「２０１０年度まで廃止する」方針を明らかにしました。

　その理由は、敷設管が55年を経過して老朽化し、修繕費用を捻出できないとのことです。

　湯田川地区自治振興会では「住民は苦心を重ねて船見台水源の地下水を守ってきた。おいしくて、きれいな地下水を捨てろというのは撤回してほしい」と要望しています。

　藤沢周平の長編小説『風の果て』は、水源開発の苦労を、ある「藩」の主席家老・桑山又左衛門を主人公にした物語で、藤沢地区を想起させます。

　この問題を文芸春秋11月号に評論家の高杉真吾氏が「藤沢周平『風の果て』の町が水危機」と題してレポートしています。

　豊かな水源を捨て去り、月山ダム建設の過大な負担を水道料金で子々孫々にまで支払い続けさせる行政に、「政治とは愚かな失敗をするものだ」ということを教訓にしなければなりません。