弁納才一著『華中農村経済と近代化』

民報藤島2006年4月9日第539号

　中荒俣出身の弁納才一・金沢大学経済学部教授（東洋史）著『華中農村経済と近代化』（汲古書院）が04年２月出版されました。

　中国農業の近代化に関する研究をまとめたもので、１９３４年の未曾有の大干魃は、食糧自給を犠牲にして繭・生糸の生産に特化した浙江省が特にひどく、西欧近代化を官僚的に押し付けた失敗と農村経済構造の歴史を踏まえた近代化を対比させて論述しています。

　いま日本でも強引に大規模経営に特化した農業政策を推進していますが、家族農業切り捨て政策は破綻することを中国農業近代化の歴史からも学ぶことができます。