拝啓　富塚陽一様

消防とゴミ処理の組合解散は

三川町への「報復」ですか

拝啓　富塚陽一様

　鶴岡市は27日、三川町との２市町で構成する鶴岡地区消防事務組合と鶴岡地区衛生処理組合を解散すると申し入れたとのこと。マスコミの報道を聞いて驚きました。

　それぞれの組合に議会はあるし、事務組合議会での議論もなく、三川町の意見も聞かず、あまりにも一方的なやり方ではありませんか。

　これでは、合併を拒否された「報復」としか考えられません。

　消防とゴミ処理は、住民にとって大切な公共の仕事です。

　消火活動は村八分になっても残るものですし、鶴岡市民が三川町でゴミを排出することもあります。

■横暴さは旧町村にとっても「恐怖」

　三川町から消防とゴミ処理を取り上げて、「困るなら合併を認めろ」とでも言うのでしょうか。

　人口８千人の三川町を「いじめ」て、無理矢理言うことを聞かせようとする「横暴」さが、合併で大きくなった鶴岡市のやり方なら、旧町村の住民にとっても「恐怖」そのものです。

　周辺部となった私たちの町村でも、鶴岡市の問答無用のやり方で、大切な町独自事業が削られていきます。


■酒田市は２町と存続

　鶴岡市ほか六箇町村衛生処理組合は昭和47年４月、鶴岡地区消防事務組合は昭和48年４月発足しました。

　いずれも当時の庄内広域行政協議会（昭和48年５月に「組合」）の計画にもとづいて、鶴岡地区と酒田地区にそれぞれ設置されたものです。

　歴史的な経過を踏まえて、酒田市では合併後も庄内町、遊佐町と共同で一部事務組合を存続させています。

　11月23日の読売新聞では「『自立できる』というのだから、消防もゴミ処理も自前でやればいい」（市議）など感情的な意見も出始めている。」と報道しており、富塚市長は市議の感情論どおりに実行するのですか。

■一部事務組合とは

　一部事務組合は「１市町村では対応できない、あるいは広域で取り組んだ方が効率的である、等の理由で設立されるもの」とのこと。

　それを「合併しないなら単独でやれ」というのは、30数年間の組合は何のためだったのでしょうか。

　「青果市場のゴミ処理の費用を特例で鶴岡市が負担していたが、鶴岡市は今後は所在地である三川町に負担を求める方針。」（同「読売新聞」）とのことです。

　青果市場は庄内広域行政組合で設置しており、そのゴミ処理も三川町ですべて負担せよとは、あまりにも酷いではないですか。

　それは、今社会問題になっている「学校でのいじめ」と同じレベルではありませんか。


■市民憲章に反します

　新しい鶴岡市民憲章には「認め合い、助け合って、笑顔あふれるまちにしましょう。」とあります。

　富塚市長は、町民が自立を決めた三川町を「認めず」、「困る」事態に追いやり、来年１月末の町長選挙で、最後には言うことを聞かせようとしているとしか見えません。

■藤沢周平を生んだ鶴岡市で

　来年は藤沢周平没後10周年です。

　下級武士など下層の人々の側に身を置いて、欲は無く穏やかな普通のくらしに満足し、権力の横暴を憎む藤沢作品へのファンが、たくさん鶴岡市を訪れるでしょう。

　藤沢周平を生んだ鶴岡市は、三川町の「小さくても輝く」まちづくりを認め、助け合って、弱き市民の日々の暮らしを守る仕事に徹し、笑顔あふれるまちにして欲しいものです。

　富塚市長は９月議会の前に、しゃっくりが止まらず検査入院したとのこと。ご高齢ですし、あまり感情的にならず、健康に留意されますようにお願いします。　　　　敬具