鶴岡市との合併にノー

三川町民の大多数は「自立」を選択

旧町村の合併不満の声が最も影響

三川町合併町長選挙
開票結果（11/5）

阿部　誠　３，２３９票

五十嵐司　２，００２票

若者たちの多くが「三川町を無くしたくない」と、自立に向けて熱くたたかった三川町の合併町長選挙

　11月５日投開票でたたかわれた三川町の町長選挙は、「合併反対」を掲げる阿部誠氏が１２３７票の大差で勝利しました。

　富塚陽一・鶴岡市長が旧町村長を引き連れ、合併推進派に強力なテコ入れをし、事実上「阿部対富塚」のたたかいとなった選挙戦で、町民の大多数が「鶴岡市との合併はノー」を突きつけました。

　昨年10月鶴岡市に合併した旧町村の住民には合併不満が充満し、その声が三川町民の最大の判断材料になりました。

　選挙結果は、住民の意思も確認せず合併を推進した富塚市長や旧首長、議員らに対する、隣町からの厳しい審判です。

■藤島の住民の共感

　三川町の町民が「自立のまちづくり」を選んだ結果に、旧藤島町の町民は大きな共感を寄せています。

　道路工事で交通整理をしている警備員は「三川町民は賢かった。合併の実態を見てからゆっくりと判断を下した。藤島町は特例債という期限に迫られて買い急ぎした。比較的豊かな藤島町はならされて貧しくなる。」と述べています。

■合併前に戻してもらいたい

　農協関係者は「藤島独自の転作関係の予算が来年度はカットされそうだ。農林予算は削減され、米の生産調整は鶴岡市にならされて減反がアップされる。合併のデメリットが農家に大きな打撃だ。できることなら合併前に戻してもらいたいものだ。」と語っています。

■カラス・鴨の駆除を削減する鶴岡市

　猟友会の男性は「藤島町がカラス・鴨の駆除のために猟友会に出していた補助金10万円が、来年度は縮小かカットになりそうだ。今でも会員の維持が大変なのに、予算を削られれば、もうボランティアでは有害鳥獣駆除はできない。必要な予算までカットする鶴岡市に何で合併したのか！」と憤りの声です。

■鉛筆買ってやれないダメ親父と同じ

　須走町内会の男性は「三川中学校を計画通り建てさせない富塚市長は、鉛筆を子どもに買ってやれないダメ親父と同じだ。鶴岡市は学校改築をさぼって、子どもを大切にしない」と痛烈な批判です。

■人間ドック、高くなるのが不安

　農村女性も「国保の人間ドックは鶴岡市民は１万円以上もかかるという。藤島町の国保は35歳以上だれでも５千円で受けてきた。これが鶴岡市並みになれば大変な負担だ。」と語っています。

審判受け止められない人にリーダーの資格なし

　富塚鶴岡市長は三川町の選挙結果について「阿部氏が合併したいと言いながら、突然の翻意。鶴岡市民はおちょくられたということだ。阿部氏の姿勢は、リーダーとしていかがなものかと思う。」（６日付朝日）などと非難しています。

　阿部氏の翻意は、合併協議の中で最終的に「不利益を町民に与えられない」と判断したからで、町民に責任を負う勇気ある決断です。

　三川町民の合併審判を受け止め反省せず、個人攻撃しかしない人に、リーダーの資格はありません。