職権乱用で羽黒町を解散

中村町長一人で合併決める

民報藤島2005年1月23日第149号

　１月14日、羽黒町の中村博信町長は合併関連議案を議会の決定を待たずに「専決処分」で決めました。

専決処分は議会を招集する暇がないときが本来

　首長の専決処分は議会で決定が得られない場合に、首長に特に認められた権限です。

　専決処分が認められるのは�@議員が定数に満たず議会が成立しないとき�A出席議員が半数に達しないとき�B議会が議決すべき事件を議決しないとき�C緊急を要して首長が議会を招集する暇がないとき
ーの４つの場合に限られます。

藤島町では災害復旧工事で

　専決処分の大多数は「議会を招集する暇がないとき」を理由としておこなわれています。

　藤島町では昨年７月17日の集中豪雨による添川地内の町道・林道の土砂流出・土砂崩れに対し、議会の補正予算決定を待たずに町長専決処分で災害復旧工事をおこない、９月議会で専決処分の承認がおこなわれました。

合併議案は審議途上にある

　羽黒町議会の場合、合併議案は１日間の会期切れで審議未了となりましたが、それは合併の問題が解決されていないからであり、審議途上といえます。

　特に議長の辞職願いも認めず、会議規則にもとづく討論もさせず「何が何でも合併を強行させる」という態度に終始した合併賛成派議員の異常さこそ批判されるべきです。

住民意思が確認されているか

　合併が専決処分で決められたのは富山県婦中町（ふちゅうまち）に次いで全国で２例目です。

　婦中町では「投票方式による住民意向調査」がおこなわれ、住民の意思が確認されています。
　しかし、羽黒町の場合は住民アンケートすらおこなっていません。
　合併に異義ありとする議員は「羽黒町の将来は町民自ら決めるべき」として住民投票を訴えています。

最大の決定事項一人で決めれば何でも独断可能

　住民の意思を確認せず、町長一人で町の解散を決めたのは、全国でも中村町長ただ一人で、職権乱用に値します。

　合併という町民にとっての最大の決定事項を町長一人で決めるとすれば、どんなことでも町長一人で決められるという前例になり、議会制民主主義を根本から否定することになります。

　合併の専決処分は政治的道義的に許されないとして断固追求すべき問題です。