（財）鶴岡市開発公社の負債は52億円。

鶴岡市の第3セクター「鶴岡再開発ビル」は債務超過５億円（負債は19億円）。

これが合併市にもちこまれ町村の負担か（2004年2月1日）

（財）鶴岡市開発公社14年度決算で負債が約52億円も

　鶴岡市の開発公社は14年度決算で負債が約52億円もあります。

　大山工業団地は1998年10月に分譲を開始し、全体の分譲可能面積18.4ヘクタールの８割以上が売れ残っています。多大な残地は市の大きな悩みで、合併となればこの負債も新市に持ち込まれます。

　藤島町の土地開発公社は県下一経営状況が良く、残地はごくわずかです。藤島町の土地開発公社の負債は５９１７万円にすぎません。

　合併は藤島町にとって鶴岡市開発公社の多大な債務を背負うことは明白です。

（財）鶴岡市開発公社の貸借対照表

　　資本は基本金500万円＋剰余金2億3902万3907円です。

（平成14年度財団法人鶴岡市開発公社各事業会計決算審査意見書より）

　（2）貸借対照表
�@　資　産
　土地では、総合保健センターや鶴岡公園整備事業用地の取得により、鶴岡公園整備事業用地や同代替地の売却のほか、公社保有地の西部土地区画整理地内宅地や西部団地、南部団地の宅地、さらには電車軌道跡地の売却を行ったものの、前年度に比べ2億2043万円増加し、未収金等を加えた流動資産合計では3億1801万円増加している。一方、長期未収金等の固定資産は、5，900万円減少したものの、資産合計は、54億3662万円となり、前年度に比べ2億5900万円、5．0％増加している。　　

�A　負　債
　流動負債は、未払金のほか施設管理勘定、地価変動等調整引当金が増加し、平成13年度末で国民宿舎由良荘を閉鎖したことから、当該由良荘勘定も皆滅することにより、前年度に比べ43万円の増加にとどまり、一方、固定負債は、借入金の増加により2億5846万円増加したことから、負債合計では、51億9260万円となり、前年度に比べ2億5889万円、5．2％増加している。

�B　資本等
　資産合計から負債合計を差し引いた正味財産（資本合計）は、2億4402万円となっており、これに、地価変動等調整引当金、財政調整準備金、付帯工事引当金を加えたいわゆる内部留保資金は、6億2832万円となり、前年度に比べて、461万円、0．7％の微増となっている。
　　また、資産の土地の簿価と市からの長期未収金の合計額は、50億2908万円となり、借入金の残高47億7661万円に比べ、2億5247万円上回っており、前年度より9596万円の減少となっているものの、公社の財務状況は、概ね良好な状態を維持しているものと考えられる。

鶴岡再開発ビル株式会社は債務超過が５億円（負債19億円）も

　鶴岡市の第3セクターである「鶴岡再開発ビル株式会社」はもっと深刻です。

　負債が約１９億円と、資産約１４億円を超え、債務超過が約５億円です。

　14年度の営業利益は約２９００万円の損失となり、経常損失が約4260万円となり、毎年赤字が累積される構造です。

　鶴岡市は補助金1168万円を支出していますが、借入金の利息として2539万円の支出があり大きな負担です。

　当期利益は資産売却やテナント撤退で賃貸契約違約金の収入で利益を上げ、855万円となっており、営業外で救われました。

　鶴岡再開発ビルはＪＲ鶴岡駅前のマリカ東館を区分所有して管理しているほか、マリカ西館の管理も請け負っています。

　56.65％を出資している鶴岡市は空き店舗部分の買い取りなどでも支援し、東館にパソコンサービス拠点を整備・拡充しています。

　しかし、経常損失を累積するのは構造的で、改善する方策の目途は立ちません。

　郊外型店舗の出店を野放しにして市内を空洞化に導いてきた富塚市政の失政は明らかです。

　県内で債務超過額が最も大きい第３セクターを、合併で町村も抱えざるを得ないのでは納得がいきません。

＜債務超過とは＞

債務者の負担する債務の額が、資産の額より上回っている状態のこと。
貸借対照表において、「資産」の合計金額よりも「負債」の金額が大きい場合をいう。
債務超過の場合には、貸借対照表の資本の金額は、マイナスになっている。

鶴岡再開発ビル株式会社の貸借対照表（H15・3・31）

資本△5億0924万8616円の内訳は
資本金　　　　　　　　　　　　8825万円
前期繰越損失　　6億0604万8984円
当期利益　　　　　　　　855万0368円

損益計算書

営　　業　　報　　告　　書（平成14年4月1日〜平成15年3月31日）

1．営業の概況

（1）営業の経過および成果

　当期における小売業界は、最気の低迷からくる雇用不安・貸金の減少傾向が顕在化し、デフレの影響が引き続き深刻化するなかで推移。売上高は、連続して前の年を下回る状況となっております。

　当地域においても、雇用不安からくる消費支出の不振に加え商業地域間の競争が一段と深まった年となりました。特に市西都地区のウエスト・モールパルは短期間のうちに顧客集積度を増す商域となる一方、平成14年8月にはダイエー鶴岡店が閉店。鶴岡駅前地区はダイエー撤退後、食料品・ドラッグを核とするS・モールが新たな競合店として、10月にオープンしたことにより、衣料品を中心とするマリカとの競争は厳しいものとなっております。

　このような状況のもとでマリカの売上は、主要なテナントの退店が期の前半にわたって続いたことと、3階に物販から公共的施設である「ネットコミセン」を8月に拡張オープンしたこともあって、前年比22％の減少となりました。

　損益状況につきましては、営業収入が前期比3100万円（−20．18％）増加し1億8200万円。営業費用は、減価償却費3700万円・懸案でありました店舗外壁清掃等修締費700万円等の増加もあり前期比5000万円（30．81％）増加し2億1100万円となり、2900万円の営業損失となりました。営業外収益は1200万円、営業外費用は借人金利息が前期比500万円減の2500万円となり経常損失は4300万円となりましたが、特別利益として固定資産売却益2900万円と賃貸借契約違約金等3000万円を計上できましたことから、法人税等を差し引き800万円の当期利益となりました。

（2）当社が対処すべき課題

　マリカを取り巻く商圏の勢力図は、ほぼ固まりつつあります。市街地店舗として駅前に立地するとはいえ、開業時のメリットを追求し、市街地周辺店舗や郊外店舗における大型化・利便性・娯楽性・拡張性に対応することは、困難な状況にあるものと考えております。

　マリカの専門店としての特徴を深め、顧客の需要を創造していくことで、専門性を追求し顧客満足度を高め、他店にない店造りをすると共に、公共的な施設の多様性を見極めながら対処し、地域に密着した体制を指向することも当社を生かす課題であると考えております。

　株主の皆様におかれましては、引き続き変わらぬご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。