■県は医療態勢強化 市の対策は
問 県と鶴岡市は、新型インフルエンザ等対策特別措置法（特措法）に基づき「行動計画」を定めており、対策が実施されてきた。
コロナ禍が小康状態にある今、「計画」の見直しが必要ではないか。
例えば、
①ＰＣＲ検査サポートセンターの設置、
②感染者への差別を生み出さない訴え、
③予防・まん延防止における「新しい生活様式の徹底」、
④エアロゾル感染を防ぐ換気対策の徹底、
⑤予防接種では、集団接種に個別接種や職場接種を追加し、集団接種における予約の混乱防止対策、
⑥在宅療養支援における健康観察の実施など、「行動計画」に反映すべきではないか。
市長 感染が第５波に及び、経験が蓄積され、市として臨機応変に対処してきたことを反映させていくことが必要と考えている。
特に感染症対策については、国・県との連携が不可欠であり、国・県の計画見直しに応じて、これまでの経験を生かして計画を見直していく。
問 感染症拡大に備え、県は医療態勢の強化を進め、鶴岡市も連携して対策を図るとされているがどうか。
市長 新型コロナ病床として県全体で２３７床確保され、うち26床は重傷者病床で、荘内病院もこれに含まれている。
軽症・無症状者向け宿泊療養施設の確保は、庄内地域に２カ所１９４室、村山地域に１カ所１０８室、置賜地域に１カ所46室だ。
酸素ステーションの設置は、庄内と内陸に１カ所づつ、各15床程度である。
病床がひっ迫した場合に、症状が悪化した自宅療養者など、入院調整中に適切な酸素投与などを実施する。
■新自由主義的農政から脱却を
問 米価暴落に対して、余剰米の市場からの隔離と、ミニマムアクセス米の輸入停止や、政府による米の買い上げによる食料支援を行えば、すぐに解決されるが、政府はそれをやろうとしない。
食料自給率向上を最大の課題にして、輸入自由化政策を改め、農業を基幹産業に位置づけ、新自由主義的な農政から脱却して、小規模・家族農業を含む農業を保護、育成強化する政策が求められているのではないか。
市長 農業が多面的機能を発揮するには、産業振興の視点からの支援だけでは不十分だ。
今議会に提案している水稲種子代金の一部助成は、営農を継続することで、農業の多様な機能や役割を維持していくことも含む。
水稲と園芸振興や複合経営の展開、鳥獣被害対策と同時に、小規模経営や家族経営でも十分な所得が確保できるような農業施策が必要と考えている。
多様な農業経営を支援し、地域農業の発展に取り組んでいく。
■子どもの国保均等割全廃への課題は
問 日本共産党市議団が、「子育て支援に逆行している」と、これまで軽減・撤廃を求めてきた子どもの均等割が軽減される。
「未就学児に限って」とされた対象範囲の拡大や、５割減額から全廃に向けた課題はどうか。
市長 本市では18歳まで対象となるよう国に要望してきた。
国会では、対象者や減額幅のさらなる拡充について、附帯決議が採択されており、国の責務で行うよう要望していく。
■育英奨学金廃止 歴史的評価は
問 育英奨学基金の廃止が提案されているが、市は歴史的な評価をどう考えているか。
先駆的な業績を刻む記念碑や銘板などを、東田川文化記念館に残せないか。
市長 旧町村の育英奨学基金制度の源流は、東田川郡の学事会であり、明治30年に創設され、31年に事業開始している。
その後、東田川町村組合に継承され、現在は旧４町村を対象に受け継がれてきた。
大日本育英会は昭和18年発足だが、その45年も前に、全国に先駆けて育英事業を開始した先進性や、人材育成の先見性は高く評価されるべきだ。
それをつるおかエール奨学金制度に引き継ぎ充実させていく。
東田川文化記念館内に展示パネルなど、効果的な手法を検討していきたい。
■市長給与３割カット 意義と目的は
問 市長給与３割カットについて、意義と目的は何か。
コロナ収束を見通して、１年ごとの見直しが適切ではないか。
市長 この度の市長選挙で、私と相手候補が共に公約に掲げたものであり、コロナ禍で厳しい状況にある市民と事業者に寄り添い、今後も必要な対策を講じるために行うものだ。
公約で１期目の４年間を継続し、２期目も４年間実施する。
新型コロナの収束と経済の回復は、相当の期間を要すると予想され、コロナ対策に全力あげていく。
