鶴岡市議会厚生常任委員会を傍聴して

山形県民主医療機関連合会　工藤　剛

　山形県民主医療機関連合会（民医連）の各病院・診療所では、経済的な理由で医療費の支払いが困難な患者さんに対して無料低額診療（以下「無低診」）事業による診療を積極的に行っています。

　しかし医薬分業が進展する昨今でも、保険薬局は無低診事業の対象でないため、無低診を利用した方の院外処方による薬代の一部負担金は、患者さんが負担しなければなりません。

　そのため山形県民医連は６月の鶴岡市議会への請願項目として、

　①貴議会より国に対して保険薬局も無低診事業の対象となるように働きかけていただきたいこと、

　②保険薬局が無低診事業の対象となるまでの期間、貴自治体においてお薬代の助成制度を設けていただきたいことについて請願いたしました。

　６月24日の鶴岡市議会厚生常任委員会では、賛成少数のため不採択となりました。

　質疑と討論では熱心な議論が交わされることもなく、いのちと健康に関わる問題に対し無関心とも受け取れて大いに憤りを感じました。

　コロナ禍が私たちの生活を直撃している実態のもとで、困窮に陥っても医療が受けられる施策の拡充をあらためて強く求めます。

　無低診事業を全国的に展開している全日本民医連では、これまで無低診事業を所轄する厚生労働省社会援護局に対して対象事業所の拡大を申し入れしてきましたが、実現には至っていません。

　このような状況を鑑み、旭川市・東川町・東神楽町・苫小牧市・浦河町・帯広市・青森市・高知市・那覇市では市の独自事業として無低診を受けられた患者さんの保険薬局での薬代の助成を実施しています。

　私たちの運動と同じ取り組みが全国で拡大しています。

　今後も自治体による実現に向けて、地域の広範な皆さんとともに粘り強く働きかけていく決意をいたします。