これに対して、13日付で実行委員会事務局を務めている市農林水産部農政課から回答が寄せられました。
■自衛隊からの申し入れ受け「働く車」と位置付け展示
第１項目として、大産業まつりでの自衛隊の広報活動の経緯の説明がありました。
平成28年から行われて今回で４回目となり、昨年度まではまつりとは別の「体育施設使用許可」による広報活動として、自衛隊のミニ制服での写真撮影（児童対象と思われる）やパンフレット配布などを行ってきたが、今年度は「車両展示も行いたい」との申し入れがあったため、他の出展者による高所作業車などの紹介と合わせて「働く車展示」グループと位置付け、まつりへの出展となったことです。
■「２日間同じ車両では参加隊員の負担大きい」
第２項目として、１日目と２日目に展示車両が変更されたことについての説明がありました。
１日目はＮＢＣ偵察車とトラック、２日目は高機動車とトラック、偵察用オートバイとなっており、出展者に確認したところ展示車両を東根市神町から運び込んでいました。「２日間同じ車両の展示では参加隊員の負担が大きくなる」との理由から、当初から変更する計画だったとのことです。
■多様な市民の気持ちに配慮する必要ある
その上で市としては、まつりへの自衛隊車両の展示については、「働く車の展示のひとつと捉えており、すべてを排除するものとは考えていない」「いただいたご意見は自衛隊側に伝える」とする一方で、「多くの市民に来場いただくイベントで、多様な市民の気持ちに十分配慮する必要があるものと考える」としています。
■殺傷機能装備できる車両をも「排除すべきと考えず」
共産党市議団は、市への申し入れの際に、「広く市民に事前広報・パンフレットにも自衛隊車両展示の記載はなかった」こと、「１日目に展示されたＮＢＣ偵察車は装甲車であり、上部の台座には機銃装備が可能であるものである」ことなどを述べ、「『あつまれ！食と緑と技の祭典』と掲げた大産業まつりの目的に合致しているのか」と質していました。
回答を受け、改めて「何故市民には事前パンフレット等での周知もされないまま自衛隊車両の展示が実施されたのか」、「殺傷機能を装備できる車両の展示は許されるのか」、「市のスタンスとして『多様な市民の気持ちに十分配慮する』としながら、『排除すべきものと考えていない』『意見を出展者に伝える』だけで済まされるのか、憲法の遵守への姿勢が問われます。
■台風被災者支援よりも広報活動優先か
また、当時は相次ぐ台風被害で関東・東北の太平洋側で甚大な被害が発生し、自衛隊には被災地から支援が求められていました。
そのような状況の中、「災害派遣よりも広報活動を重視した」と受け取られかねない行動として、今回の展示には疑問が残ります。
１日目に展示された「ＮＢＣ偵察車」（左、関徹県議撮影）と２日目に展示された「高機動車」（右、菅井巌市議撮影）。どちらも車両のすぐ近くに「陸・海・空自衛官募集」と書かれたのぼり旗が掲出されていた。
