自民議員支援は「市民党」と矛盾

日本共産党市議団が市長に緊急申し入れ

皆川治市長（右）に申し入れ書を手渡す 日本共産党市議団の加藤鉱一団長（左）＝１５日、市役所内

　日本共産党鶴岡市議団は15日、皆川治市長に「参院選での大沼瑞穂氏支援表明」と、「自衛官募集の情報提供」の２つの問題で、文書で緊急の申し入れを行い懇談しました。

■「現職議員にお願いする場面多く、特に問題ないから支援」

　懇談の中で皆川市長は、「私は特定の政党に所属はしていないし、今回の支援表明でも市民党としての立場は変わらない。

　共産党だろうが自民党だろうが、特定の政党を排除する考えはない。

　地方自治の本旨は理解しているが、市長として地方の実情をきめ細かく国に伝えていくためにも、現職の国会議員にお願いする場面は多い。

　県内の市長の多くが有志として支援に動くという中で、桜田・前五輪大臣のような大きな問題があれば支援できないが、議員として特に問題はないので支援することにした。」と述べました。

■「自民現職支援」は短絡的

　各議員からは、「有志の会なのだから、入らずに中立を保つことはできないか。」

　「どこにも所属しないから応援しているという市民は多い。」

　「自民党参議院議員の支援と市民党の立場は矛盾しないか。」

　「市民に説明する必要があるのではないか。」など疑問を述べました。

　市長は「市長選挙では政党の支援を受けず、自民党の人から共産党の人まで幅広く応援をいただいたもので、（特定の党派に偏ったという誤解を持つ人もおり）市民党の立場が理解され、矛盾しない。

　市民の疑問があればきちんと答えていく」などと述べました。

　市議団は、「国政との連携」は理解するとしても、「大沼瑞穂氏の支援」は短絡的であり、国と市町村は対等の関係にあるので、毅然として国政に向き合うことを求めました。

■自衛隊への情報提供「県内他市と同様に対応」

　自衛隊への情報提供の問題では、市長は「３月議会一般質問で山田守議員に答えたとおり、県内他市と同様、法令を踏まえた対応をしている」と答えました。　

平成３１年４月１５日

鶴岡市長　皆川　治　殿

日本共産党鶴岡市議団
団長　加藤　鑛一
菅井　　巌
坂本　昌栄
山田　　守
長谷川　剛

市政執行に当たっての緊急申し入れ

１、夏の参院選県選挙区における自民現職大沼瑞穂氏の支援組織設立報道について

　山形新聞4/11付記事の中で、皆川治市長は、「市民党の立場は変わらないが、市長として政権与党にお願いすることは多く、国政との連携を重視する」と大沼氏を支援する意思を明確にした。と報道されています。

　政権与党は新自由主義的政策による農山漁村の切り捨てと格差拡大社会をつくりだし、鶴岡市政の最重要課題である農業再生や人口減少問題にとって、明らかに難局を生み出した張本人と考えます。

　沖縄に見られるように、強権によって地方の民意を押しつぶす手法は、沖縄以外にも波及することが懸念されます。

　鶴岡市長として、憲法の定める地方自治の本旨に則り、沖縄のように毅然として国政に向き合うことを求めます。


２、自衛官募集に関わる情報提供について
　
　安倍総理は、改憲で自衛隊を憲法に書き込み、自治体に自衛官の協力を強制しようとしています。

　自衛隊法は「都道府県知事及び市町村長は、政令で定めるところにより、自衛官及び自衛官候補生の募集に関する事務の一部を行う」（９７条）と規定しています。

　しかし、同法施行令は自治体が自衛官募集の広報などを行うことを定めてはいるものの、名簿提供に関しては「防衛大臣は…都道府県知事又は市町村長に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる」（１２０条）としているだけです。自治体に名簿提出の要請に応じる義務はありません。

　全国で多くの自治体が個人情報やプライバシー権を保護する観点から本人同意なしの情報提供に応じていないことは当然のことです。

　鶴岡市は平和憲法と地方自治の原則に立って、自衛隊への情報提供を見直すべきです。

　以上、緊急な最重要課題に絞り、申し入れ致します。