望明月峯 明月峯(めいげつほう)を望(のぞ)む 城貞(藤の花)
雲隠山頭宿聖霊 雲(くも)は山頭(さんとう)を隠(かく)して聖霊(せいれい) 宿(やど)る
登臨概想数峰冥 登臨(とうりん)して概想(がいそう)すれば数峰(すうほう) 冥(めい)なり
幾回相望転纏絡 幾回(いくかい)か相(あい) 望(のぞ)んで転(うた)た纏絡(てんらく)
何日上巓喫冷釀 何(いずれ)の日(ひ)か巓(てん)に上(のぼ)り冷釀(れいれい)を喫(くら)う
山の頂は雲におおわれて、山には聖霊が宿っている。
月山に登って感慨にふけって四方を見下ろしてみると
多くの山々がはるか遠くに見える。月山を見るたびに
やまへの思いは、ますます強くなっていく。いつの日か
山頂に登り疲れをいやす、冷酒を飲むとしよう。

(画・加藤貞雄)
明月峯=月山。
山頭=山の頂。
登臨=高い所に登り見おろす。
聖霊=神から出て人にやどり精神の働きを力づけるもの。
概想=感慨深く思う。
数峰=多くの山山。
冥=離れている。
望=遠く見渡す。
転=ますます。
纏絡=まつわりからみつく。
何=いつの。上=山の上の方に行く。
巓=山頂。
喫=飲む。
冷釀=冷酒。