渡前小子ども獅子踊り今昔物語 

藁(わら)文化の里⑨

渡前獅子踊り保存会 太田功

民報藤島2026年07月12日第1549号

 先日、渡前地区森林管理組合所有の羽黒町「大坂山」に分け入った。

 加藤民雄前会長(宝徳)はじめ、役員や地権者10数人が集合した。

 図面をもとに各町内所有地を目指し早々に離散する。

 我ら3人は境どころか方角さえ見当つかぬ者同士で、別の図面などをつなぎ合わせ聞き取りし、やっとのことで入口は判明したものの、途中、笹やぶ状態に阻まれ断念した。

 道の途中気になるのは、やはり「熊」。腰やリュックに着けた鈴音に気づいて、逃げてくれればよいが、足跡がないかと気にかかる。

 学生時代、大千軒岳(北海道松前)に登山した際、濃緑色のうんこと、でかい足跡に出くわしたことがある。ヒグマのものと分かり、急いで退散した経験がある。

 猫と犬の足跡の見極めは爪があるかないか。普段つま先立ちで、獲物に静かに近づくために、猫は腱の力で爪を引き上げ隠し、いざという時に鋭い爪を使うのだと。

 犬やオオカミは遠くまで獲物を追いかけるために爪で地面をけり、鋭い牙で仕留める。

 足跡の違いはそうした生い立ちがあるからだ。

 獅子踊りの獅子はというと、児童の学習では田畑を荒らす生き物の象徴として「イノシシや鹿」などを指す、と学習させるが、巷(ちまた)で「猿や熊」も厄介者として登場するので、獅子と区別させるのに苦労する昨今である。

 そのイノシシと鹿は指が変化し蹄(ひづめ)が割れて偶数となっていることから偶(ぐう)蹄(てい)目(もく)、馬は一つの蹄から奇(き)蹄(てい)目(もく)と分類されている。

 人は五本指の哺乳類だが、靴下を履けば奇蹄目、足袋にすると偶蹄目に見かけ上はなる。

 いよいよ次号が藁文化の里シリーズ最終、白足袋と黒足袋が台湾南東部を旅(たび)する話だ。

 宮崎清氏はじめ千葉大工学部研究室グループが久方ぶりに、自然素材で実用品や民芸品を作り上げる団体に呼びかけた。2008年のことだ。・・・(つづく)


(大阪山記念碑)


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