雑詠 雑詠(ざつえい) 城貞(藤の花)
宆天時候半晴陰 宆天(きゅうてん) 時候(じこう) 晴陰(せいいん) 半(なか)ばす
梅肉含酸浸歯深 梅肉(ばいにく) 酸(さん)を含(ふく)み歯(し) 深(しん)に浸(し)む
従昔氷肌真可愛 昔(むかし) 従(よ)り氷肌(ひょうき) 真(しん)に愛(あい)す可(べ)し
紫蘇入酒値千金 紫蘇(しそ) 酒(しゅ)に入(い)る値(あたい) 千金(せんきん)


梅干しの季節のこの頃の天気は 晴れたり曇ったり。
熟した梅の実を口に入れると 酸っぱい味が歯の根までしみこむ。
昔から梅の花はほんとうに 大切にすべきだという。
それはやがて、実になる梅を梅干しや梅酒の材料となり 千両の価値があるからである。
雑詠=特に題を決めないで色々の物を詠んだ詩歌。
宆天=大空。
時候=季節。
半晴陰=晴れたり曇ったり。
梅肉=果肉。
浸=しみこむ。
従=…から。
氷肌=梅の花の形容。
真=本当に。
愛=大切にする。
紫蘇=匂いのよい一年草で梅干しの材料。
千両=価値が大である。