贈髙朋 髙朋(こうほう)に贈(おく)る 城貞(藤の花)
朱邸森羅涼暗傳 朱邸(しゅてい) 森羅(しんら) 涼(りょう) 暗(あん)に傳(つた)う
尋香粉蝶緑陰前 香(こう)を尋(たず)ね粉蝶(ふんちょう) 緑陰(りょくいん)の前(まえ)
妻孥朋友無人訪 妻孥(さいど)朋友(ほうゆう) 人(ひと)の訪(と)う無(な)し
坐向松窓易惘然 坐(ざ)して松窓(しょうそう)に向(おい)て惘然(ぼうぜん)たり易(やす)し
立派な屋敷には木木がならび茂っていて、何となく涼しい感じさが感じられる。
紋白蝶が若葉の影に芳香を求めて止まっている。
妻、子供、友達、誰も訪れる人がいない。
こんなときに松の木の見える窓辺に座って ただぼんやりとしているのだ。

髙朋=高尚。けだかい。上品な。
贈る=さしあげる。
朱邸=りっぱなやしき。
森羅=木木がならび繁る。
粉蝶=紋白蝶(モンシロチョウ)。
妻孥=妻と子。
向=むかい。於と同じ。
松窓=まつの木の見える窓辺。
惘然=ぼんやりするさま。