嘆悪政　　悪政(あくせい)を嘆(なげ)く　　城貞（藤の花）

欺民遺策向周年　　民(たみ)を欺(あざむ)き策(さく)を遺(す)てて周年(しゅうねん)を向(む)く

負約謾人語放言　　約(やく)を負(そむ)き人(ひと)を謾(あなど)り放言(ほうげん)を語(かた)る

政敗潰堤意蟻穴　　政(まつりごと)に敗(やぶ)るるは堤(どて)を潰(つぶ)す蟻穴(ぎけつ)を意(おも)う

無情宰相総難論　　無情(むじょう)の宰相(さいしょう)　総(すべ)て論(ろん)じ難(がた)し


国民をだまし　国策に失敗して総理は一年になろうとしている。

約束はうらぎり人を見下して無責任なことを言っている。

政治に失敗するという事は賢固に築いた堤も小さいアリの穴から敗れるというのに　似ているということを思いえがくのだ。

総理は思いやりが見られない人であるということは　今更言うまでもないことである。


嘆＝憤慨の気持ちを表す。

悪政＝人民の幸せな生活を妨げている悪い政治。

欺＝だます。

民＝国民。

遺＝失敗。

策＝計画。

向＝近づく。

周年＝満一年。

負＝うらぎる。

約＝約束。

謾＝ばかにする。

放言＝勝手なことを言う。

政＝政治。

敗＝失敗。

潰＝土手が切れる。

蟻穴＝アリの穴。

無情＝思いやりがない。

宰相＝総理大臣。

総難論＝言うまでもない事。