世界の国々　アイスランド②

世界で最も安全な国　青山 崇

　アメリカのグローバルファイナンス誌の「世界で最も安全な国ランキング」は、「自然災害」や「紛争・戦争」そして「治安など個人の安全」の分野で決めているが、アイスランドは２０１８年に２位、19年１位(１２８国)になった。

　日本は48位である。

　アイスランドは第２次世界大戦後、外交の基本として中立宣言し、世界でも稀な歴史的に「軍隊を保有していない国家」である。

　国土防衛は警察特殊部隊と沿岸警備隊が担っているが、警察特殊部隊は爆弾処理班と狙撃班の構成、沿岸警備隊は沿岸巡視艇４隻とヘリ１機を持つのみである。

　それにレーダー基地４か所で領空監視を行っている。

　近年外務省に平和維持活動を目的とする危機対応部隊(80名)が新設された。

　それで平和維持活動に積極的で、ヨーロッパ諸国と旧ソ連構成国20ヶ国で構成される「平和のためのパートナーシップ」のホスト国を務めるなどしている。

　かつて冷戦下ではアメリカ合衆国と国防協定を締結して、米軍基地を設置した。

　しかし、冷戦終結から10数年を経た２００６年、米軍の完全撤収が両国で合意し米軍は撤退した。

　ただし、有事の際にはアメリカがアイスランド防衛を保障する協定を結んでいる。


　(巡視艇)