山旅メモ

平和発進の島・花の浮島　礼文島(れぶんとう)　ＲＯＵＳＡＮ鶴岡会員　梅本幸巳

　次に向かったのは、隣の礼文島である。

高山植物園 スコトン岬 桃台猫台展望台 平和行進

　鴛泊(おしどまり)港からフェリーに乗り香深(かぶか)港に着いた。

■花の浮島

　本州では２０００ｍ以上の高山でしか見ることができない高山植物が、礼文島では海岸線から咲いている。

　海岸沖一帯は長さ10ｍもある利尻昆布（超高級品）畑で、小舟を浮かべ刈取りしていた。

　宿は、質素な地元の民宿である。朝宿を出て、すぐバスに乗り海岸線を走る。最初に向かったのは、

■高山植物園

　季節ごとに見事な高山植物が咲いている植物園だ。

　30種類の高山植物が約２万株あり、季節順に咲き誇る。ビジターセンターも併設されていて、高山植物についての資料を展示していた。

　離れた所のレブンアツモリソウ群生地には監視塔があり、残念ながら行止まりになっていた。次は、

■スコトン岬

　日本最北の有人島、礼文島のいちばん北にある岬（ちなみに日本最北端は稚内・宗谷岬）。無人島、海驢(とど)島を望むこの岬に立ち風に吹かれると、最果てまで来た！という何ともいえない感情が湧き出てきた。

　スコトン岬からの西海岸トレッキングコースは、礼文林道の分岐点までのロングコース。

　海岸線一面のお花畑を天国に来た心地で歩いた。

■桃台猫台展望台

　島の南部にある「不思議でかわいらしい形の２つの岩を望む名所である。

　緑に覆われた岸壁と揺蕩(たゆた)う波が対照的だ。

　真向いの海に、前日登った利尻山がそそり立っていた。

■平和行進出発の地

　私は、かつて原水爆禁止田川地区協議会で活動したことがあり、礼文島は原水爆禁止平和行進の出発点で特別な思いがある。

　20数年前、田川地区協議会理事長の砂田栄吉さん(※)が、山形県人として初めて平和通し行進をされた。礼文島を出発し、北海道・東北・関東・東京と全コースを歩き通したのだった。

　田川地区を通過したときは、各市町村で盛大に歓迎集会を開催した。

　この地を訪れて、改めてこんな遠くから歩き通したのかと、砂田さんの核兵器禁止の熱き思いに心打たれた。

　礼文島は、「花と平和の島」だと改めて感じる旅だった。

※故・砂田栄吉氏は、来年２月の三川町議選に共産党から立候補予定の砂田茂氏の父です。


写真中央が砂田栄吉氏