世界の国々　韓国②

育てた民主主義ー大統領を辞任に　青山 崇

（拘留中の朴槿恵） （「高校生も知っている！操り人形パククネは辞めろ！」）

　しかし民主化運動はスムーズに進んだわけではない。

　すでに「光州事態」の前年、軍事政権は崩壊したが民主化の道は遠かった。

　以後の大統領は、不祥事で全て辞任している。

　「光州事態を民主化運動の流れ」と評価し暴動説を否定した盧泰愚(ノ・テウ：１９８８－１９９３)は賄賂。金泳三(キム・ヨンサム：１９９３～１９９８)次男の斡旋収賄。金大中（キム・デジュン：１９９８～２００３）も子供の斡旋収賄。以下盧武鉉（ノ・ムラ：２００３～２００８）。李明博（イ・ミョンバク：２００８～２０１３）と続き、支 持が高かった朴槿恵（パク・クネ：２０１３～２０１７）も弾劾辞職し、現大統領文在寅（ムン・ジェイン：２０１７～）に至っている。

　こういう中で国中を揺るがしたのは、２０１６年朴大統領を権力の座から引きずり下ろした「民衆総決起」である。

　朴大統領が親密なチェスンシルに権力を密に与え、内外政策から政府人事にまで仕切らせていたことが暴かれ、全土は一挙に怒りのるつぼと化した。民主労組を中心に約１５００で構成する「国民行動」が指導した。毎月曜日が定期のデモ、コンサートやフリートーキング、夜はロウソクデモ。そこには有名歌手も共に謳う歌声があった。

　このような市民の力が、４月15日総選挙で与野党に全国民に支援金支給を公約させ、財源の一部に軍事費削減で充てることになったのである。

　なお、国土面積は日本のほぼ４分１、人口は５１８４万人である。