世界の国々　バチカン市国(しこく)

核兵器禁止条約一番目に批准

ローマ教皇アピール「核兵器で平和は実現しない」　青山 崇

　ローマ教皇が元首も務め、イタリアのローマ市内にある世界最小の国(約４００㎡)、人口は８００人余りの修道者である。

　１９２９年ムッソリーニ政権から独立し成立した。

　国内にあるサン・ピエトロ大聖堂はカトリック教の総本山である。

　国全体が、ラファエロやミケランジェロなどによって一つの美術館のようになっており、『バチカン市国』として世界遺産に登録されている。

　昨年11月来日し広島・長崎を訪れたフランシスコ教皇は、バチカン駐在の各国大使を前に新年の挨拶を行った。

　日本で被爆者の体験を聞き、「核兵器による人類の絶滅の上に本当の平和はない」と確信した。核兵器使用は人類の尊厳に対する犯罪だと述べ、改めて「核兵器のない世界は可能であり必要だ」と語り、世界の政治指導者は、核兵器抑止論で世界平和は実現しないことを自覚すべきだ。

　なお、教皇は来日した際に、原爆死没者慰霊碑の前で記帳したメッセージが先日公開された。

　自らを「平和の巡礼者」と表し、「この地の歴史に残るあの悲惨な日に、傷を負い、亡くなった全ての人と連帯して悼むために訪れました」。