元日　　元日(がんじつ)　　　城貞（藤の花）

風定奇寒一歳除　 風(かぜ)　定(さだ)まりて奇寒(きかん)　一歳(いっさい)　除(じょ)す

太陽初出酌屠蘇　 太陽(たいよう)　初(はじ)めて出(い)でて屠蘇(とそ)を酌(く)む

千門万戸瞳瞳日　 千門(せんもん)　万戸(ばんこ)　瞳瞳(どうどう)の日(ひ)

都撤新觚替旧符　 都(と)て新觚(しんこ)を撤(と)りて旧符(きゅうふ)を替(か)う


風がおさまり、身にしみる寒さの中一年が終わった。

万物をはぐくみ、太陽が初めて姿を現し目出度いお正月の酒をくみかわす。

夜が明るくなり、どこの家家でもすべて古いお札をとりかえて、

あたらしいお札を飾る。


奇寒＝なみなみならぬ寒気。

一歳除＝一年が終わる。

屠蘇＝お正月にのむ酒。

千門万戸＝多くの家家。

瞳瞳＝あかるくなりかけたさま。

都＝全部。

撤＝とりのぞく。

觚＝お札。

旧符＝ふるいおふだ。