南米の新自由主義について、チリ、コロンビアの抗議運動について書いてきたが、ついにアルゼンチンで、新自由主義転換を主張するフェルナンデス氏が12月10日大統領に就任し、首都ブエノスアイレスで数十万の市民が集まり就任を祝った。新大統領はこれに応えて、前政権の新自由主義政策を転換し、貧困や飢餓を解決する基本政策を宣言した。
アルゼンチンは世界有数の食糧輸出国なのに、人口４５００万人の３分の１に当たる。１５００万人が十分な食糧が得られないという。
これに対し新大統領は、新自由主義政策で苦しめられた弱者、飢えた人々こそ「特別扱いしていく」とも述べた。
これを聞いた主婦は「クレジットカード会社で働いていたが、みんな失業。私たちは新大統領にすごく期待している」と語っている。
しかしアルゼンチンは巨額の対外債務を抱えるなど前途多難である。
しかし新自由主義反対の声は国際的に高まり広まっている。
就任後、大統領府のバルコニーから手を振るアルベルト・フェルナンデス大統領（中央）＝10日、ブエノスアイレス（ロイター）
