彼は18年４月、アフリカ最年少で政権を担い、非常事態解除や政治犯釈放などの改革を実施、第一の授賞理由のエリトリア紛争解決はその一環である。
エチオピアは、東アフリカで首都アディスアベバ、面積１１３㎢は日本の３倍、人口は１億２００万人でアフリカ３番目である。
エチオピアと連邦だったエリトリアは、１９６２年エチオピアに強制併合、武装闘争を経て93年に独立した。
しかし国境の領有権などをめぐり98年に衝突し、死者は８万人に上り、和平合意が成立したが、もめごとは絶えず、首相のアビー氏は、常設国際仲裁裁判所の認定に従い、エリトリア領であること認めた。
エリトリア首都アスマラを訪問しイサイアス大統領と会談、平和と友好の共同宣言に署名した。
またエリトリアとジブチの関係正常化、スーダン民政移管の実現に尽力。紛争の絶えない「アフリカの角」地域で平和的解決に尽力したことも理由となっている。
私らの世代のエチオピアは、マラソンの〝アベベ〟である。
多民族が住み民族紛争が絶えないアフリカで、平和と友好を進める指導者を知るべきである。
ノーベル平和賞はノーベルの遺言で創設された５部門の一つ。授与主体はノルウェーで、スウェーデンとノルウェーの和解と平和を祈念したものである。
